スナックライター・五十嵐真由子氏インタビュー

アラサー女性はなぜ「スナック」にハマるのか? 社会的背景と魅力を分析!

2018/05/20 19:00

snackjoshi 中年オジサンたちの溜まり場のイメージが根強い「スナック」。しかし、近頃は1人でスナックを訪れる「スナック女子」が増えているという。お酒を飲むならほかにもいろいろな店があるのに、昭和の香り漂うスナックの何が女性たちを引きつけるのか? 「東洋経済オンライン」でスナックの魅力を広めるコラム『今夜もスナックが呼んでいる』を連載している、スナックライターの五十嵐真由子氏に聞いた。

■女性の新たなコミュニケーションの場

 これまでは一般的な女性が足を運ぶ場所とは言い難い「スナック」だったが、2016年ごろから「Hanako」(マガジンハウス)、「OZmagazine」(スターツ出版)などの女性誌がスナック特集を大々的に組み始めたことをきっかけに、各地のスナックで徐々に女性客が増えてきていると五十嵐氏は指摘する。

「今年の2月に熊本県のイベントの一環として、全日本スナック連盟会長の玉袋筋太郎さんと女性限定のスナック講座を開いたところ、予想以上に応募者が殺到しました。参加者も20〜30代の比較的若い世代の人から50代の方もいて、幅広い年齢層がスナックに興味を持ち始めていると感じています」

 また、五十嵐氏によれば、スナック女子が増えている背景には、メディア効果のほかに、社会的背景も影響しているという。

「ここ数年は働き方改革が進み、残業が許されず定時に帰らされるケースが増えているせいか、会社帰りに同僚と飲むなどの、社内コミュニケーションが減っています。30代から40代で役職に就いている女性の場合は特に、部下と気軽に情報交換することに戸惑ったり、自分の弱い面をさらけ出すことに抵抗があったりするので、気軽に飲みにいけない。そこでスナックがひとつのコミュニティの場となってくるのです」

 スナックには、親と同じくらいの年齢のママやマスター、常連のお客さんがいて、近況報告や悩み事など、どんな話も聞いてくれる。そんな自分を解放できる場所、居心地のいい場所がスナックにあるということに女性たちが気づき始めたらしい。

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