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「姉御中の姉御!」ジャネット・ジャクソン、パニクった女性ラッパーを救出しネット大絶賛

2018/04/13 18:55

ニップルゲート事件を乗り越えて

 ジャネットといえば、天下に知られた大スター中の大スターだ。その出自ゆえに、「子ども時代から順風満帆だった人物」というイメージを持たれることもある。だが実際には、厳しい父親との関係は最悪で、マイケルから「デブケツ」と呼ばれたせいで長年自分の体形に自信を持てずにいた1人の女性だ。男運もイマイチで、昨年50歳での超高齢出産直後に、3番目の夫とも破局。たくさんの悩みを抱えてきた苦労人なのである。

 それでも確かにキャリアは順調だったが、メインアクトを務めた04年の『スーパーボウル』ハーフタイムショーで起きた「史上最悪の生放送事故」とも揶揄されるハプニングにより、人気は一気に低迷する。ハーフタイムショーの最後には、コラボ曲「Rock Your Body」を一緒にパフォーマンスしたジャスティン・ティンバーレイクに胸元の布を引きちぎってもらい、下に着けている星条旗を連想させる赤いブラを見せるサプライズを計画していたのだが、ブラまで取れてしまい乳首が丸出しに。NFLの優勝決定戦であるこの『スーパーボウル』は高視聴率の生放送番組であるため、1億4300万人の視聴者に乳首を晒してしまったのだ。

 メディアはこのハプニングを、政治スキャンダルのウォーターゲート事件にちなんでニップル(乳首)ゲート事件と命名。ジャネットはすぐに「直前に私が思いついたパフォーマンスで、局は知らなかった。計画通りにいかず、皆さんに不快な思いをさせて本当に申し訳ない」と謝罪する映像を公開した。だがジャネットは、この事件で「アイドルのジャスティンをそそのかして、わざとやった」「全国放送で乳首丸出しにするスラット(尻軽女)」という目で見られるようになってしまった。

 この前の年に、兄マイケルが少年への性的虐待容疑などで逮捕され、05年にはいわゆる「マイケル・ジャクソン裁判」が行われたため、ジャネットの受けたダメージは大きく、業界から干された状態が続いた。しかし、彼女は待ってくれているファンのためにも復活を誓い、アーティストとして活動を続けた。マイケルのことも信じ、急死した彼の追悼式では姪パリス・ジャクソンを支える気丈な姿を見せた。カタールの大富豪との3度目の結婚はうまくいかなかったが、かわいい息子に恵まれ、シングルマザーになった現在も精力的にツアーを行っており、レジェンド的な存在だ。

 イヴが今回告白した「飲み物にドラッグを入れられた」アフターパーティがいつ開催されたものなのかは明かされていない。イヴは01年にリリースした「Who’s That Girl?」で一気にブレークしたが、その数年前から多くのアーティストとコラボしており、その頃の話なのかもしれない。いつの話にせよ、面識のない若い女性の様子がおかしいと知り、避けるのではなく駆けつけ、安心させようと話しかけるジャネットの行動は「姉御中の姉御だ」とネット上で大絶賛されている。

 同時に「女性が軽く見られている業界だから、たくさんの人がいるアフターパーティーにもかかわらず、イヴの飲み物に薬を入れてあわよくば性交渉しようとする者がいたのだろう」「音楽業界では日常茶飯事なのでは?」「これってある意味#MeTooだよね」と、音楽業界における女性の立場の低さを批判する人も多い。

 ジャスティン・ティンバーレイクは06年に米MTVインタビューで、ニップルゲート事件について「正直(僕とジャネットには)50:50の責任があると思うけど、僕は10%くらいしか非難されていない。これってアメリカは女性に対して厳しい、特定の人種に対して厳しいってことだよね」と発言。慎重に言葉を選びつつも、アメリカには女性差別と人種差別があるから、こんなにしつこくジャネットだけが責められ続けているのだという見解を示していた。今はようやくジャネットもニップルゲート事件の被害者としてとらえられるようになり、「#TimesUp」運動ネタにも使われている。

 鼻水でぐじゃぐじゃになりながら泣くイヴに、「大丈夫」「任せて」と励ましたジャネット。気も芯も強い女性だとされている彼女が、このイヴの発言をきっかけに音楽業界の闇を告発してくれないかと期待する声は多い。今後のジャネットの言動に、ぜひ注目したい。

最終更新:2018/04/13 18:55
アンブレイカブル
ジャネット出てきたら余計パニックになりそう
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