【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

「俺は利用された」ナルシストの元夫は子どもへの愛情がなく、親子の縁は切れてしまった

2018/03/27 15:00

まずは別居して修復していこうと思っていた

――離婚するまでの経緯を教えてください。

 子どもが2歳になる手前で別居しました。きっかけは、彼が突然、会社のトップをクビになってしまったことです。外資系は、責任者であろうが、いきなり辞めさせるんです。おそらく原因は彼自身にあるはずなのに、「お前が支えないからだ。妻として内助の功が足らないからだ」って言うんです。

――リベラルとか言ってるのに“内助の功”だなんて、矛盾していると思わないんですかね?

 だから彼は、ダブルスタンダードなんです。表面はリベラルだけど、すごく差別的で封建的。それと、彼が独特なのは、自分に酔ってるというか、絵に描いたようなナルシストだってことです。

――そこから別居へは、どうつながるんですか?

 クビになって以来、元夫は落ち込んで、ずっと家にこもっていました。ある日、2歳の誕生日が近くなった頃、子どもが元夫におもちゃを持って近寄っていったことがありました。遊んでほしくて、子どもは「パパ」って話しかけた。すると元夫は「ハァ」ってため息をついて、顔をしかめたまま、子どもを相手にしないんです。異様な様子に、途端に子どもがビビってしまって……。

 それを見て「これはやばい。お父さんの機嫌を一生懸命取ろうとする子どもになっちゃう。子どもの情緒が育たなくなる」と思ったんです。それで私、彼に言いました。「病院でうつ病だと判断されて薬をもらってきたようだけど、これを機会にしっかり療養したほうがいいよ。子どもがチョロチョロいたら、あなたが休まらない。あなたのメンタルの回復のため、一度離れよう」って。すると、夫は「そうだね、ありがとう」と言って、すぐに引っ越していってくれました。

――別居だけで、離婚はしなかったんですか?

 私は「子どものためによかれと思って」という気持ちもあるけども、「うつ病と診断された彼の心が休まらないから」という理由もあった。まずは別居して修復していこうと思っていたんです。

わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち
人はなかなか変わらない
アクセスランキング