「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」全宅ツイのグル氏インタビュー【後編】

「港区の高級マンション」なのにクソ物件!? 素人が見落としがちな“貸主”という落とし穴

2018/03/25 19:00

タワーマンションにデメリットはあるのか?

 タワマンは、外部から“セレブの象徴”として見られてきた。また“階数が高ければ高いほど金持ち”などと、ヒエラルキーが目に見えやすい形になっていると想像できるだけに、「タワマン内部では血で血を洗うマウンティング合戦が繰り広げられているのではないか?」と、女たちの好奇心を掻き立てたものだ。そんな中、最近やたらと「タワマン大暴落予想」の記事が目につくようになり、タワマンに着目する者の心をザワつかせているが、全宅ツイのグル氏は、タワマンのメリットデメリットに関して、どのような見解を持っているのだろうか。

 タワーマンションのデメリットは、ほとんどありません。それはこれまで建設されてきたタワーマンションの分譲時の抽選倍率、分譲後の中古市場での価格の上昇、また賃貸市場での賃料の高さを見れば客観的に明らかです。

 しかしながら私個人として2点だけ指摘させていただきます。1つめは、ぶっちゃけてしまいますと、タワーマンションは非常にわかりやすくシンボリックであるため、妬みや嫉妬の対象とされがちなことでしょうか。

 本当はもっと坪単価の高い低層の高級マンションはたくさん存在するのですが、タワーマンションこそ鼻持ちならないセレブたちの住まいのシンボルとしてディスられがちです。

 一定以上の、自分にも届きそうで、やっぱりちょっと届かない年収の人がまとまって同じ場所に暮らしている。それはやっぱり叩かれやすい。

 ただただ背が高くて目立ってわかりやすいということから、2000年代前半のタワマンブーム当時より、週刊誌、夕刊紙のルサンチマンとして叩かれ続けた流れがそのまま続いている印象を受けます。実際に住んでる方は、全然鼻持ちならない感じではないですし、職場に近くて便利で、立派な背の高い建物に暮らすのは気分のいいもんです。

 まあ、実際にタワーマンションに暮らしている人とそうではない人の数の比率を思い浮かべれば、如何に皆が想像でディスっているのかは理解できると思いますね。

 もう1つはタワーマンションそのものではなく、その周辺の環境です。もともとは工業エリアや未利用地だった場所を開発したケースが多く、大きな街区に同じようなタワーマンションや大規模な商業施設が存在しています。

 これは便利で清潔だといえばそのとおりなのですが、少額な資本の飲食店や個人の経営するセンスの良い商店を周辺に許容する余地がありません。近所の銭湯に、つっかけで行って帰りに立ち飲み屋さんで一杯、みたいな生活を望むならタワーマンション住まいは向かないかもしれませんね。

 タワーマンションのメリットはいっぱいありますが、ちょっとだけ。

◎都心への近さ
 豊洲なら、銀座1丁目まで有楽町線で6分。勝どきなら銀座4丁目までタクシー10分。これはすごい。貴族ではない一般人が、こんなとこ住めるんかいう話です。

◎眺望
 やっぱりいいですよ。仕事終わって帰ってきてふと見る窓の向こう景色。遮るもののない視界、潤いのある水辺の景色、たくさんのビルに灯された灯り、これぞアーバン! って感じがします。

◎シンボル性
 わかりやすい。ずばーん建ってるマンション指さして、私の家あそこ、言うんわ。タクシー乗ってもマンション名だけで通じる。大規模ゆえのスケールメリットで共用部も豪華。だれが見ても高級。わかりやすいすごさ。コンシェルジュはじめとしたサービスも便利。

◎資産価値
 2000代前半から分譲されてきたタワーマンションがどれだけ値上がりしたか。普通のサラリーマンの方でも、初期にタワーマンションを買った方は売却して2000万円ほどの利益を得た方がたくさんいらっしゃいます。また売却せずとも現在のタワーマンションの市場価格と自分が買った新築時の価格を眺めて、立派なマンションに住みながら含み益でニヤニヤできる。これは素晴らしい。

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