プウ美ねえさんのエプロンメモ

「懸賞」をエクセル管理、プレッシャーでつらい……プウ美ねえさんが悩める“趣味人”に助言

2018/03/24 16:00
epumemo201803
(C)熊田プウ助

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

<今回のお悩み>
「趣味がだんだん真剣になるにつれ、楽しめなくなる」
 楽しくて始めた趣味なのに、やっていくにつれて、「やらねば……」というプレッシャーでつらくなってしまいます。今までの趣味はこんな感じでした。

◎イラストを描く趣味→どんどん真剣になり、同人誌を描き始め、締め切りに追われつらくなる
◎ネイルアート→こだわるにつれ、毎週1回、長時間の集中メンテナンスが必須でつらくなった
◎歴女→歴史検定や関連の検定を受けはじめ、月一で検定試験。勉強に追われてつらくなる

 最近は懸賞が趣味です。最初の頃は時々出して当たるのがうれしかったのですが、今はしっかりエクセルで一覧にし、管理しています。〆切までに応募しないといけないので、「あの雑誌の〆切までに雑誌を読んで感想を考えなきゃ……」「あのメーカーの〆切までにインスタ写真を撮って投稿しなきゃ……」と、毎日〆切で頭がいっぱいですし、郵便受けを開ける度に何も届いていないと、「あんなに頑張ったのに……」と悲しくなります。その度に懸賞サイトのブログを検索し、自分も1日に10通出さなければと、未熟な自分を叱咤しています。

 自分でもアホらしいと思う部分はあるのですが、趣味を変えるべきなのか、趣味の楽しみ方を変えるべきなのか、どうするべきかわかりません (ぺぺぺさん、35歳)

【プウ美ねえさんの回答】
 趣味は便利なものです。他人と共通の話題でなごめたり、ボケ防止、生活改善、ストレス発散、仕事に有利なものだってあります。人と違う趣味をもつことで、個性のようなものをアピールすることだってできるしょう。

 熱中して続けるうちにしんどくなるのは、当たり前のことです。人の時間や体力は限られているのです。仕事や食事やセックスだってしなければなりません。ひとつの趣味に没頭してそれを深め、一生飽きずに続けているなんていう人は、たいがいリミッターがはずれているものです。普通のひとは、どんどん趣味をかじって、どんどん飽きればよろしい。おねえさんは飽きたり挫折したり逃げ出したりした趣味が山のようにありますが、まったく恥じていません。好きなことであっても、自分を支配されるなんてまっぴら御免だからです。ぜひぺぺぺさんも趣味のおいしい部分だけをつまみ食いしてごらんなさい。

 趣味の第一の目的は、自分をよろこばせることです。挫折した趣味も再利用して、気持ちよくなりましょう。飲み会やSNSで「昔は同人誌バリバリ作ったなぁ」「あ~ネイルアート? やってたよ」と折りにふれ、ひけらかすのです。「じゃあ絵を描いて」「私の爪きれいにして」などとやっかいな要求をされたときは、「それで心を病みかけたから…」と逃げましょう。画像をチラ見せするていどにとどめて身を引けば「あのひとはなんだか奥深い」というニセの印象を与えられます。本当に仲良くなりたい相手にはすすめませんが、うわべの知り合いならそれくらいのマウント行為もいいものです。

【今月のエプロンメモ】
もしかしたらあなたは今、たいへん優雅な生活をしていることに気づいていないのかもしれません。すくなくとも寝る間もなく働いているとか、多大な借金で苦しんでいる、という状態ではないようにおもわれます。次から次にやりたいことが見つかるということは、非常に幸運なことですよ。

熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『本日もおひとりホモ。中年マンガ家生活』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。

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最終更新:2018/03/24 16:00
世界一周ホモのたび 結 (本当にあった笑える話)
あたちもたまに「ジャニオタにならなけりゃ」と思うこともあるわ
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