仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

小倉優子に見る、結婚や子育てにおける「完璧主義」「努力家」の脆弱さ

2018/02/08 21:00

「恋愛より家族になってくれる人がほしい」と語る小倉

 しかし、当の小倉はそうは思えないようである。同番組で、司会のフットボールアワー・後藤輝基に「人肌恋しいことはないのか?」と聞かれると、小倉は「恋愛より、家族になってくれる人がほしい(しかし、今は恋愛している物理的な時間はない)」と答えた。女優・高橋由美子は恋愛を勧め「お母さんがキラキラしている方が、子どもはうれしいんだよ」と投げかけると、「そうは思えないんですね」とも。高橋との会話は微妙にかみ合わないが、「子どもにはお父さんがいた方がいい」という高橋の発言には、「そう思います」と頷いてみせた。これらの発言を合わせると、小倉は「恋愛をしている時間はないし、恋愛をしたママはキラキラしているとも思えないから、そこをすっ飛ばしてお父さんになってくれる人を見つけたい、だって子どもにはお父さんがいる方が幸せだから」と考えているのではないだろうか。

 保守層好みの考えだが、現実と照らし合わせてみると、若干思い込みが強いように感じられる。小倉は「(子どもに対して)イライラしそうになる時があって、でも、フォロー役がいないから、絶対にイライラしちゃいけない」と同番組で発言していた。小倉は新しいお父さんがいれば、フォロー役を引き受けてもらえるのにと思っているようだが、仮に再婚したとしても、その男性が小倉の思うように動いてくれるかどうかは、未知数である。一般人の家庭においてもそうだ。お父さんがいても激務で、ワンオペ育児を強いられてフォロー役が不在の家庭はたくさんある。また、子どもと過ごす時間があっても、母親とうまくコミュニケーションが取れず、“役立たず”に見られてしまう父親がいることも事実だ。そこには日本の長時間労働や、「育児は女性の仕事、だから自分は何もしないでいい」という風土による思い込みが作用しているので、一概に「お父さんがいれば、子どもはハッピー」とは言い切れないのではないだろうか。

 小倉といえば、結婚時に「100%浮気されない」と発言したことがある。その根拠は、元夫が愛情表現を欠かさないタイプだったことと、自分に自信があり、かつ自分自身や家庭、子育てなど、全方位への努力をおろそかにしなかった点にあるのだろう。元夫は離婚経験者で、ほかの女性と同棲中に小倉と知り合い乗り換えたと、週刊誌で読んだ気がするが、そこから推測するのなら、元夫は「結婚という契約に向かない人」「オンナにだらしない人」なので、こういう結婚の適性のない人相手に努力しても、はっきり言って無駄だと思う。

 それよりも、相手のあることに“100%”や“絶対”は存在しない。「失敗は成功の母」というが、「絶対こそ失敗の母」とママ小倉に進言したい。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2018/02/08 21:00
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