【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

「元夫が今後再婚しても、親子関係は継続してほしい」障害のある子を守りたい元妻の願い

2018/01/11 15:00

突然、家の鍵を替えられて、入れなくなる

――東京に住むようになってからの生活は、どのようなものだったのでしょうか?

 月1回は、奈良の家に帰っていました。私がかなりの資金を出して買ったマイホームですからね。あの家こそが、私や娘の家です。私たちが家を出る前、元夫は部屋にこもりっぱなしでしたが、私たちが東京に移住してからは、態度が変わりました。一時的に帰ってくると、協力して掃除をしたり、食卓を一緒に囲んだりするようになったんです。関係がこれで回復するかなと期待しました。

 ところがある日突然、家の鍵を替えられて、入れなくなりました。それは、別居して1年半後のことです。「なぜ入れてくれないの?」と元夫へメールしたら「おまえは娘を虐待する。家に入れたら、どんな嫌がらせをされるかわからない」といった抗議のメールがすぐに届きました。

――旦那さんの主張の意味が、よくわからないですね。それで、家に入れなくなった後は、どうしたんですか?

 東京に戻った後、弁護士を立てて、調停の申し立てを行いました。家に入れてほしいということと、婚姻費用(離婚前に支払う、子どもの養育費と妻の生活費)の請求。6年前のことです。私は奈良の家に住む権利があるのに、追い出されたんですから。でも、その頃は、離婚をする気持ちはまったくありませんでした。

――旦那さんの主張は?

 「ひどい浪費をしていた」「ヤクザも行っている病院に娘を連れて行く」「娘に薬物を飲ませるという虐待をやっている」「妻自身、サイコパスで精神科へ通院していた」といった荒唐無稽な嘘が、陳述書に記されていました。その一方、財産分与や親権、離婚といった要求については何ひとつ記されていないんです。元夫は弁護士を立てていなかったので、元夫自身が書いているはずなんです。なのに文体がいつもと違って、粗雑で長々としたものでした。

 その後、裁判所から「妻と娘を家に入れなさい」という決定が下されました。それで、家に入れてもらえましたし、婚姻費用も払ってもらえることになりました。ところが、また鍵を替えられて、入れなくなりました。それで再び調停を起こしました。

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