2017女性ファッション誌動向を甲南大学・栗田教授に聞く

「Zipper」休刊、そして主婦の友社買収……動乱の2017年女性誌トピックスを徹底分析!

ローティーン誌は「系統が細分化されていない」のが強み

――ローティーン誌に関してはいかがでしょうか。

栗田 新潮社が強いですね。「nicola」(97年創刊)が15万部で、この数字は3年前と変わりません。子どもの数が減ってきている中、市場が小さくなっているのに数字が横ばいどころか上向きというのは驚異的なこと。ということは「nicola」を読む小学生の比率が増えているということになります。ほかにも姉妹誌である「ニコ☆プチ」(06年創刊・隔月刊)は7万部なので、足したら22万部。この数字は宝島社の旗艦誌「sweet」の26万部に近いですが、「sweet」は購買層が20〜30代と幅広いのに比べ、「nicola」は10代前半と狭いですからね。世代への浸透率がすさまじいのがよくわかります。

ここから読みとれるのは、「nicola」や「Seventeen」などのティーン誌は、ファッション系統が細分化されていないこと。赤文字系や青文字系やストリート系、すべて網羅しています。ですから、そういう意味でファッションの流行へ対応がしやすいのでしょう。

――ファッション系統が細分化しているほうが厳しいということでしょうか。

栗田 そうなります。4~5年前にギャル雑誌の休刊が相次いだわけですが、今年は、古着リメイクで一世を風靡し、月刊から季刊になっていた「Zipper」(93年創刊、祥伝社)が休刊を発表。またゴスロリファッションの代名詞だった「ケラ!(KERA)」(98年創刊、ジェイ・インターナショナル)が紙媒体での発行をやめ、デジタル版に移行しました。つまり今年はストリート系雑誌の休刊が相次いだといえます。同じくファッション専門誌である「装苑」(36年創刊、文化出版局)も部数が下火で隔月刊化しました。文化出版局は大学や専門学校を背景に持った大きな会社ですから、今後も旗艦誌として発行はしていくのでしょうけれど。隔月というのは、賢い選択ではあるんですよね。月刊ですと編集部も第一編集部、第二編集部というように複数並行体制が必要になってきますが、隔月なら1つで大丈夫ですし、色んなメリットはあると思います。

――ストリート系の雑誌が休刊になってしまったのは、そっち系のファッションが飽きられてきたからなのか、それとも違う何かを読んでいるのか、どっちなのでしょうか。

栗田 WEARやインスタグラムとか、アプリのほうに行ってるんでしょうね。雑誌を買わないからといって情報にお金を払わないのではなく、いままで雑誌代に支払ってきた分が通信料に代わってきたということが言えます。SNSの情報充実度はすごいものがあり、何人かのインフルエンサーをフォローしていれば情報は十分、というのが現在です。特にストリート系ファッションを好む女子は、情報収集が活発で上手な層なので、雑誌への見切りが早かったのでは。逆に「non-no」などを読む層は、保守的だから、一番最後まで雑誌を買い続ける客層がしっかりついているのではないでしょうか。ですので、集英社が「Seventeen」を読む層を囲い込み、そのまま「non-no」、さらに「MORE」へと移行させていくように、新潮社も「nicola」を読む層を囲い込んで、そのまま少女たちが大人になった際に読む雑誌を自社のファッション誌にスライドさせるべく新雑誌を創刊していけば安泰でしょう。

 

アイドルがファッションモデルに抜擢される動きは今後も続く?

――「MORE」といえば、いち早く元AKB48の篠田麻里子さんを専属モデルに抜擢し、成功した印象があります。現在ではAKB48や乃木坂46、欅坂46のメンバーたちが続々とファッション誌の専属モデルになっていますが、この動きは今後も続くのでしょうか。

栗田 女性アイドルが女性誌の専属モデルをすることは、女性票を獲得するのに有効なやり方です。実際「Ray」の専属モデルである乃木坂46の白石麻衣さんは、今年2月に出版した2nd写真集『パスポート』(講談社)が推定売り上げ23万部という莫大な数字を叩き出しましたが、同写真集は女性の購入者が多いことでも話題となっています。これはファッションモデルをやることによって、女性票を獲得した証しと言えると思います。雑誌の実売数に関して、現役女性アイドルの出演がどれだけ具体的に貢献しているのかの特定は難しいですが、どの雑誌に出るかによって影響力が違ってきます。ですので、そういった話があればどこでも出ますという時代では無いでしょうね。

Zipper(ジッパー) 2018年 02 月号 [雑誌]
90年代のパチパチズもみんな30代だもの

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