かつての王者が見る影もなく

2017年、一番ダメだったドラマ枠は? 連ドラ“局別・枠別”ランキング

2017/12/30 10:00
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『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)公式サイトより

 2017年の民放連続ドラマが、全て終了した。12月24日放送のTBS日曜劇場『陸王』(役所広司主演)最終回は20.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と大台を突破し、有終の美を飾ったが、翌25日オンエアのフジテレビ月9ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(篠原涼子主演)最終回は、枠史上ワーストの4.6%を記録してしまい、まさにくっきり明暗を分けた。

 ここでは、民放プライム帯の連続ドラマの局別/枠別の平均視聴率を発表。フジの低迷と共に、テレビ朝日の強さを如実に示す結果となった。

 テレ朝は『相棒』(水谷豊主演)『科捜研の女』(沢口靖子主演)、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(米倉涼子主演)などの人気ドラマシリーズを数多くオンエアし、それらがことごとくヒットしたことで、ぶっちぎりトップ。これは、視聴率がよかったドラマを次々にシリーズ化してきた編成の勝利といえそうだ。ただ、今年放送された新規ドラマは『就活家族~きっと、うまくいく~』(三浦友和主演)と『黒革の手帖』(武井咲主演)の2作だけ。マンネリに陥らないためにも、今後新たなドラマへチャレンジする姿勢も必要だろう。枠別では、全ドラマで唯一平均視聴率が20%を超えた『ドクターX』を放送した「木9」がトップ。2クール放送する『相棒』の「水9」も3位と強かった。

 TBSは看板枠の「日曜劇場」に加え、かつては視聴率1ケタ続きだった「火10」枠で、数字を取れるようになったのが大きい。「日曜劇場」は『A LIFE~愛しき人~』(木村拓哉主演)『小さな巨人』(長谷川博巳主演)『陸王』の3作が高視聴率を獲得し、枠別2位で面目を保った。

 日本テレビは「水10」こそ好調だったが、ほかの2枠の不振が響いた。「土曜ドラマ」は4月期より、『嵐にしやがれ!』と放送時間を入れ替え、「土9」から「土10」に移動したが、2ケタに乗せることがまるでできず、その成果は得られなかった。日曜午後10時半開始の「日曜ドラマ」に至っては、10月期の『今からあなたを脅迫します』(ディーン・フジオカ、武井咲主演)が平均6.2%に沈むなど、低迷が続いており、枠移動も一考すべきだろう。

 

 視聴率不振が続くフジでは、『嘘の戦争』(草なぎ剛主演)『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(小栗旬主演)『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(山下智久主演)の3作が2ケタに乗せたが、ほかのドラマが低調。看板枠の「月9」は『コード・ブルー』以外の3作が爆死となり、枠別7位で、枠自体の存続が上層部で議論されそうな雲行きだ。TBS「日曜劇場」の裏で苦戦が続いていた「日9」枠は、不振続きで7月期をもって廃止された。

 テレビ東京の「金8」ドラマは、1~7月期までは、人気シリーズの『三匹のおっさん3〜正義の味方、みたび!!〜』(北大路欣也主演)『釣りバカ日誌 Season2〜新米社員 浜崎伝助〜』(濱田岳主演)『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~SECOND SEASON』(小泉孝太郎主演)を放送して健闘。しかし、10月期の『ユニバーサル広告社』(沢村一樹主演)が、固定ファンの評価こそ高かったものの、平均3.99%と大爆死を喫し、足を引っ張ってしまった。ただ、枠別では、フジ「日9」枠を上回り、なんとかビリは免れた。

 2018年はどんなドラマが放送されるか、今から注目されるところ。果たして、日テレやフジの巻き返しはなるだろうか?

 

<2017年民放プライム帯連続ドラマ 「局別」平均視聴率ランキング>

※2017年中に放送された連続ドラマのみが対象で、スペシャルドラマは対象外。計算式は(各ドラマの平均視聴率の合算)÷(ドラマ作品数)

1位  テレビ朝日   13.0%(12作品)
2位 TBS  10.7%(12作品) 
3位 日本テレビ  9.4%(12作品)
4位 フジテレビ 7.4%(15作品)
5位 テレビ東京 6.0%(4作品)

 

<2017年民放プライム帯連続ドラマ 「枠別」平均視聴率ランキング>

※2017年中に放送された連続ドラマのみが対象で、スペシャルドラマは対象外。計算式は(各ドラマの平均視聴率の合算)÷(ドラマ作品数)

1位  テレビ朝日「木9」        14.4%(4作品)
2位  TBS「日9」 13.5%(4作品)
3位 テレビ朝日「水9」 13.2%(4作品)
4位 テレビ朝日「木8」 11.8%(4作品)
5位 日本テレビ「水10」 11.2%(4作品)
6位 TBS「火10」 9.5%(4作品)
7位 フジテレビ「月9」 9.24%(4作品)
8位 日本テレビ「土9・10」 9.16%(4作品)
9位 TBS「金10」 9.08%(4作品)
10位    フジテレビ「火9」 8.4%(4作品)
11位    日本テレビ「日10:30」    

7.9%(4作品) 

12位 フジテレビ「木10」 7.9%(4作品)
13位 テレビ東京「金8」 5.98%(4作品)
14位 フジテレビ「日9」 5.6%(3作品)

 

(文=田中七男)

最終更新:2017/12/30 10:00
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