[官能小説レビュー]

「好きな人にドロドロした欲望を知られたくない」――『ねむりひめ』が描く10代のセックス

shabon
『しゃぼん』(集英社)

  若い頃は、好きな人にはきれいな自分を見てもらいたいという気持ちが強かった。ダイエットに励み、きちんとメイクをし、きれいな下着をつけて恋人とのセックスを迎える――ハタチ前の女性たちにとって、好きな人とのセックスは「女」としての勝負ではなかっただろうか? セックスは自分をさらけ出す行為ではあるが、そう感じられるのは、もう少し大人になり、場数を踏んでからだ。経験の浅いうちは、まだそこまで開き直ることはできず、大好きな男の前では少しでもきれいな自分を演出したいと感じるものである。

 今回ご紹介する『しゃぼん』(集英社)は、高校生からアラサーまでの多感な女たちを描いた短編集だ。その中でも注目したいのが『ねむりひめ』である。

 主人公のゆかりは、ごく普通の高校3年生で、物静かな同い年の慎ちゃんと付き合っている。仲間内で彼の評判はあまりよくないが、ゆかりは慎ちゃんのことが大好きだ。

 けれど、ゆかりは慎ちゃんではなく、友人である真美の自慢の彼氏を誘ったり、援助交際などをして、ほかの男たちとも寝ている。慎ちゃんとのキスは気持ちよく、体がとろけるような感覚だったのに、セックスは回数を重ねるごとに何も感じなくなっていった。慎ちゃんに初めて抱かれて、自分の中に隠れていた官能に目覚めたゆかりは、慎ちゃんとの「恋」を守ろうとする。

 海に出かけた2人は小汚いラブホテルへ行き、そこでゆかりは奇妙な夢を見る。慎ちゃんのペニスを弄び、官能に耽る夢だ。自分の中に潜むドロドロとした欲望を彼に知られることは「恥ずかしい」と感じ、その汚れた思いを発散するように、ゆかりは、あらゆる男たちと寝るようになる。

 10代の頃のセックスは、まだ心と体がうまくつながらず、危うい行為に及ぶことも少なくない。年を重ねて自分を律することを覚えた今、彼女たちのキラキラとした官能が眩しく感じてしまう。
(いしいのりえ)

こわれそうなものばかり集めてしまうお年頃

しぃちゃん

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