「職業:愛人」の女たち 第5回<最終回>

盗まれた3000万円、妻からの慰謝料請求、“パパ”がヒモ化――女が「愛人」をやめるとき

2017/11/05 21:00

男の妻からかかってきた怒りの電話

 ナナミさんが最近別れたパパと出会ったのは、約1年前のこと。友人の結婚式の二次会でナンパしてきたのがその相手だ。

「学生時代に同じサークルだった友達の結婚式の二次会に、同じ大学だった子と一緒に行ったんですが、そこで新郎側のバイト時代の友人だという人と知り合いました。10歳年上で、飲食店をいくつか経営していると話していました」

――それくらいの歳の差だと、愛人より恋人関係になるんじゃない?

「そうですね。だから、そんなに高額はもらっていません。デートするたびに、『ハイ、タクシー代』って感じで1万円もらったり、ウチでデートした時は、『ご飯作ってもらったから』みたいな感じで3万円くらい置いて帰るくらいのユルい愛人関係でした。でも、月にすると5~10万円にはなるので、普通のOLだった私にとっては、結構いい副業だったんですよね。それに不倫ってイヤだったし、相手に対して恋愛感情も持っていなかったし」

――恋愛感情がないんだったら、キャバクラで働いても同じか、それ以上に稼げそうだけど。

「飲食店の経営者ってこともあって、自分の知らない世界のことを知っているし、おしゃれなお店に連れて行ってもらったりして、それは楽しかったんですよね。見た目的にも悪くないっていうか、むしろおしゃれで、『私のパパ的な人♪』って写メ見せると、『え、格好いいじゃん! いいなー、こういう人、私にも紹介して』みたいに言われるのも気分良かったんですよね。それに、インスタとかで、遊びに行ったスポットをアップすると、『いいね』がいっぱいついたりするし。得だけの関係ってうか……」

 そんな軽い気持ちで危うい橋を渡るのがそもそも悪いんだと、説教したくなるが、「お金持ちの彼氏以上愛人未満のパパ的存在との別れ」は1本の電話とともにやってきた。

「しょっちゅうホテルに泊まったり、旅行に行ったりしていたので、『奥さんは大丈夫なの?』ってよく聞いていたんです。彼は、『飲食店の経営をしているから基本生活が不規則なんだよね』って言うので、私はそれを信用しちゃってたんですよね。ところが実はそうでもなかったらしいんです。ウチにも彼の私物とか増えていって、ウチにくる時間も増えて、使ってくれるお金も増えて……って状態になった時でした。彼の奥さんから電話がかかってきたんです。『ウチの人と付き合ってますよね? 別れてください』と。エ! なにそれ! って背筋が凍りつきましたよ」

――なんて答えたの。

「付き合っているっていうか、愛人っていうか、そういう関係なんです。愛人って言っても、そんなにたくさんのお金もらってないですし、本当、奥さんから盗ろうなんて考えてたことないですからって、泣きながら言いましたよ。『あいつ昔から、気に入った女には調子いいことばっかり言うんだよね』みたいに言ってきて、すごい長時間話しました」

――結局、別れるって奥さんに言ったの?

「はい。最悪なのはその後です。どうやら電話を録音していたみたいで、それが不貞の証拠になるって、慰謝料を請求されちゃったんですよね」

――え? じゃあ、もらったお金は彼のところに戻ってくってこと?

「請求されたのは50万円だったので、全部ではないけど、ほとんど戻っちゃいますね。弁護士つけて減額しても、弁護士料と労力考えるとムダだよって、法律に詳しい知り合いから言われて、あきらめて払おうかなと思っているところです」

 不倫関係でもある愛人交際。金持ちの既婚者のパパを作るなら、ある程度しっかりと「仕事だ」と言う意識を持って、覚悟を決めて取り組まないと、思わぬ落とし穴にハマることもありそうだ。
(オフィスキング)

最終更新:2017/11/05 21:00
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金庫を持とうとすら思ったことないけど!
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