今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

稲垣吾郎『5時に夢中!』出演で見えた、元SMAP3人が背負うもの

2017/10/27 21:00

inagakigoro01――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ジャニーズ革命
 稲垣吾郎『5時に夢中!』(TOKYO MX)出演。どのタイミングで、誰をどこにどう出して行くのがベストなのか。今のところ、I女史のプロデュース力の高さが目立つわけであるが。

 当日に出演発表。『5時夢』を普段から見ている人も見てない人も、ドラムロールが鳴ったように盛り上がる。放送が始まれば、番組内の生アンケートに寄せられた視聴者の声が、今まで見たことのない数字をカウント。それが、また笑いと話題性を呼ぶというwin winな流れ。肝心の稲垣本人が、『5時夢』の雰囲気や約束事など何もかも知らない感じがまた、都落ち感ゼロというか。モニターの小ささやスタジオの狭さに腹の底から驚いているのが、「遊びに来た大物」な空気。ジョディ・フォスターが出演したときと同じベクトルか。

 しかし、こういうのはある意味「出オチ」に近い、一回こっきりの手法である。香取慎吾のアート作品発表も然り。1年後、『5時に夢中!』に出演して、アート作品を出して、ファン以外の世間から、今と同じ熱量で見てもらえるか。これから、そこをシビアに問われていくことになるだろう。

 今後、元スマ3人はメジャーな場所で大成功を収めることが求められるわけで。映画が1つの目安になるんだろうな。いやー大変だ。しかし、もし成功すれば、事務所のしがらみなき芸能活動が日本でできるキッカケになる。新しい風を吹かせたくない旧体制との戦いの火ぶたは切られたばかり。応仁の乱超えのこじれ予感大。

◎だいじょうぶじゃない!?
 不倫の次は、空前のセクハラ袋だたきブーム到来。ハリウッドの映画プロデューサーに続き、パパブッシュも「4年前、フトモモさわってごめんなさい」。93歳。車いす姿の元大統領が久々に出した声明がそれか。いやー。志村けん受難の時代到来だな。

 逆に、「もしも志村けんがセクハラ大っ嫌いだったらぁ」といったコントで、原理主義へのシニカルなメッセージを発信してほしいところだが。若い人は「もしもシリーズ」知りませんね。

 竹下景子の篠沢秀夫教授に対する追悼文も、「一部省略してお伝えします」になっちゃってるところ多いし。愛ある追悼も面倒の元か。……教授のご冥福を心よりお祈り致します。

◎ここにも忖度!?
 江角マキコのネタで、またも「お詫び」の憂き目にあった『バイキング!』(フジテレビ系)。しかし、どこがどう何に抵触したのかが、全く明らかにされないままでのお詫びであった。

 「養殖を持ちかけたのは、安いバナメイエビじゃなくて、高額なブラックタイガーです! 失礼なッ!」ってことなのか。何はともあれ、「放送内容が全部事実だって証拠あんのか? 法廷持ち込むぞオルァ!」という、今後、ほかからの追随を防ぐ意味も含んでの、江角側からの威嚇とみて間違いないだろう。

 今後スプレーで「バカMC」と書かれたTシャツ姿の坂上忍が番組でお詫びすれば、いいお開きになると思うが。できればゲスト長嶋一茂で。

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。

最終更新:2019/05/21 20:28
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