ストーリーか? 出演者か?

朝ドラ『わろてんか』視聴率下げ止まらず!! リタイア視聴者続出する「3つの理由」

2017/10/24 15:13
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『わろてんか』(NHK)公式サイトより

 10月2日に放送開始したばかりのNHK連続ドラマ小説『わろてんか』(葵わかな主演)の視聴率が下げ止まらない。

 初回こそ20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で好発進し、第3話で自己最高の22.3%をマークするなど出足は好調で、5話連続大台を超えた。ところが、第6話で19.3%と20%割れすると、2週目に入った初日(第7話)は自己最低の17.7%と急降下。第11話で20.6%と1週間ぶりに大台を突破したものの、よかったのはその日だけで、第2週の平均視聴率は19.4%で、第1週の20.8%から大幅ダウンした。

 第3週に入っても、なかなか視聴率は上がらず、第16話でワーストタイの17.7%を再び記録するなど振るわず。結局、同週は一度も大台に乗せることはできず、週平均18.8%で、さらに下げてしまった。ところが、第4週に入って19話の視聴率が22.2%に急上昇。ただしこれは、台風21号の情報を知るため、朝ドラ前後のニュースや台風情報を見ようと視聴者が、NHKにチャンネルを合わせていた可能性が高い。

 ストーリー的には、第18話で、京都の薬問屋「藤岡屋」の長女・藤岡てん(葵)が、父・儀兵衛(遠藤憲一)に、芸人で大阪の米問屋「北村屋」の跡取り息子・北村藤吉(松阪桃李)との結婚を反対され、早くも駆け落ちするという急展開。第4週の第19話では、藤吉が自身の実家へ行き、母・啄子(鈴木京香)に、「てんを嫁に迎え、米屋を継ぐ」と宣言するも、実家には、すでに啄子が決めた杉田楓(岡本玲)という許嫁がおり、てんとの結婚に猛反対されてしまう。さらに啄子から、「女中としてなら置いてやってもいい」と驚きの提案をされる……という流れになっている。

 ネット上では、主に『わろてんか』の3つのポイントについて、批判が噴出している。まず「この先、朝ドラ定番の“嫁いびり”で視聴率を稼ごうという魂胆が見え見えで、興醒め」「いつも朝ドラは、良家のお嬢様が苦労して成功する話ばかりで、パターン化しすぎ」など、ストーリー展開への不満。また「許婚の楓や、芸人仲間のリリコ(広瀬アリス)といった脇役の方が、ヒロインより魅力的」「てんは、兄の新一(千葉雄大)が亡くなったとき、それほど悲しそうじゃなかった。親も家も捨てて駆け落ちしたのに、まるで新婚旅行みたいにニコニコしていて違和感を覚える」など、てんのキャラクターに問題があるという意見も多い。さらに、「父親が亡くなっても、息子は家業を継がなかったのに、いつ帰ってきてもウエルカムで、許嫁まで連れてきてるって、藤吉の母親の態度がおかしい」と、脇役の描かれ方に疑問を抱く者も少なくないようだ。

「豪華メンバーだった『ひよっこ』に比べると、出演者が一枚も二枚も落ちた感は否めません。ヒロインのてんのキャラクターも、まだ視聴者にはなじみが薄く、なかなか感情移入がしづらい状況なのでしょう。主に女性視聴者を取り込む要員といえた千葉は、あっさり亡くなってしまうし、高橋一生の出演シーンが少なすぎ。現状では、簡単に20%の大台に戻すのは難しいのではないでしょうか」(テレビ誌関係者)

 前作『ひよっこ』は、前半で苦戦を強いられたが、後半の巻き返しで、最終的には全話平均20.4%と大台突破にこぎ着けた。そもそも女優としての格が違う、ヒロインの有村架純と葵との潜在的な視聴率を比較すること自体、ナンセンスな話ではあるものの、ここから先、『わろてんか』は挽回することができるのだろうか?
(田中七男)

最終更新:2017/10/24 19:32
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