【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

宗教にハマッたイギリス人の夫が暴行、臨月間際で馬乗りに……【別れた夫にわが子を会わせる?】

2017/09/26 15:00

夫がナイフを振り回して警察沙汰に

 1年後、我慢の限界が訪れる。

「子どもが1歳になった頃、彼がナイフを振り回したんです。子どもに危害が加わらないようにって思って、とっさに子どもに覆いかぶさりました。幸い、ナイフで刺されることはなかったんですけど、背中を拳やナイフの柄みたいなものでボコボコに殴られたんです。

 なんとかスキを見つけて、友人に電話をしました。すると友人からの通報を受けた警察が、うちまで駆けつけてくれたんです。その後、彼と私は別々のパトカーに乗せられて警察署まで行って、別々に事情聴取を受けました」

 警察で田中さんは、事件の概要を一通り話した。

「その後、警察官に言われました。『あなた、子どもと一緒に、シェルターに逃げたほうがいいよ。旦那は傷害罪でお縄にして、母国に返したほうがいい』って。でも、子どもにとっては血を分けた実の親ですからね。自分の父親が犯罪者だってわかったら、子どもがかわいそうじゃないですか。暴力っていっても頻繁にあるわけではなくて、3カ月に1回ほどのことですし。それに私、やっぱり彼のことが好きでしたし。だから、警察に『立件しないでほしい』ってお願いしたんです」

――では、すぐに同居を再開したのですか?

「いえいえ。それはさすがにないです。かといって、マンションは私の名義ですからね。明け渡すつもりはありませんでした。そこで、警察に協力してもらって、彼に退去を言い渡してもらったんです。すると彼はおとなしく従って、近くにある友人の家に、居候として引っ越していきました」

(後編へつづく)

最終更新:2017/09/27 15:07
わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち
「やっぱり彼のことが好き」という言葉が重い……
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