【新連載】出会い系サイト実況、始めます! ちょいブスな私の戦い方

2017/07/13 20:00

「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」(紀貫之・土佐日記)
――男もやっている日記というものを女の私もしてみようと思う。

 というわけで、出会い系サイト体験記を書きたいと思った次第です。

 憧れのmessyさんで書かせてもらうということで、舞い上がっているワタクシ・白雪魔夢子(しらゆきまむこ)は、昔から出会い系サイトに並々ならぬ意欲関心があって、以前、男性名義で『出会い系サイトの使い方』というコラムを書いていました。「すぐにヤれる女の見分け方」とか「ヤれる女が使うサイト」などの記事を書くうえで、実際に出会い系サイトに登録したこともあります。まずは、その出会い系サイトにまつわるウンチクを少しだけ述べてみようと思います。

◎悪質出会い系サイトがやっている面白小技

 出会い系サイトは星の数ほどあれど、実はそのほとんどが悪質だってご存知でしょうか。一番分かりやすいのは『年齢確認をしていないサイト』です。

■得意文句その1『うちは出会い系サイトではなく、チャットアプリですよ』

 平成15年、未成年を守るために『出会い系サイト規制法』が定められました。その法律のおかげ(?)で、出会い系サイト事業者は警察に届け出なくちゃだめ、住所や電話番号をしっかり記載しなくちゃだめ、でなければ違法です、となったため、『出会い系サイト』を名乗る業者は激減したんですね。でも、彼らは『男性にポイントを使わせて、出会えると見せかける』サイトを運営したい……。そこで、『うちは出会い系サイトではなく、チャットアプリですよ』とアピールするために、利用規約の禁止事項に、しれーっとこう書くようになったのです。

■得意文句その2『異性交際に関する情報を送信すること(を禁ずる)』

 トップページに可愛い子の写真を載せて『今すぐ出会おう♪』とか言っているサイトが何を言うか!! 騙す気満々じゃねえか!

 と、はなはだ腹が立ちます。でも、いちいちイラついていられないほどアプリ説明欄と利用規約には真逆のことが書いてあることは多く、「あ、ここ年齢認証してないな」と思ったら利用規約をチェックするとなかなか面白かったりします。

 中には、『当サイトで使用された画像は二次的に使用することがあります(=勝手に写真を他サイトで使われちゃう)』なんて書いてあるサイトもあったりして、「げ!」とか「ひどい!」とか言いながらチェックすると目が肥えていくわけです。そんな重要なこと、もっと大きく書いてほしいですよね。びっくりするなあ、もう。

 話を戻すと、このコラムは、そんな出会い系サイトに関する記事を星の数ほど書いた私が、いちユーザーとして出会い系サイトを使い、日々男たちと出会っていく企画です……そう、徒然なるままにセックス体験を語っていきたいと思っております。

◎女性が出会い系サイトをやる上で重要なのは『写真』!

 さて、男性目線の出会い系サイトコラムを書く中で常々思っていたのですが、プロフィールで大事なことは『女は写真』『男は文章』ということ。どんなに魅力的な文章を書こうが、女性の場合は写真が良くないとだめですし、男性の場合は、いくら写真でかっこつけていても、文章が「よろしく」だけだったりすると、得体が知れない恐怖から女性は寄り付きにくいのです。

 そんなわけで、写真だけは本気でやらなくちゃ!! と心得た私は、昔、大学で恋愛学を学んだ経験(当時は一番人気の授業だった。森川先生は今も元気かな……?)を生かすことにしました。

 具体的には、まず勝負服として“赤”を選択するところから始めました。男性は赤の服を着た女性を見ると、それ以外の服を着た女性よりも魅力的だと評価するデータがあるとのこと。フェイバー・ビレンさんという色彩心理学者が「『赤』は対象の人が近くに見える」という説を話しています。

 次に、服のデザインは“露出度は高くないのに身体のラインがしっかり出ること”をポイントに選びました。一時期は胸元がバーンと開いた服ばかり着ていた私でしたが、『エロい女』ではなく『痴女』まで振り切れてしまう可能性もあり、あんまり男ウケが良くなかったんですよ。ハタチの時、タンクトップにホットパンツという陸上選手みたいな洋服をナチュラルに着ていた私に、友人男性はこう宣言しました。

「お前がモテるのは、可愛いからじゃない。ヤれそうだからだ!!!」

 今の私としては「ヤれそうならいいじゃないか!」なわけですが、すでに30歳越えの白雪。ハタチの頃の恰好は痛いので、ここは大人しく“身体のラインは出るのに、露出度の低い服”を選びます。

 ちなみに、この格好の場合、女性側が計算して選んでいたとしても、男性は「この子は、俺が今イヤらしい目で見ているとは思わないんだろうな……。こんな清純そうな顔をしてエロい体をしている……」と思うそうです。まさに赤いぴったりしたニットは、ステルス勝負服と言えるようですね。押忍。

◎いざ、出会い系サイトを使ってみんとす

 最初に断っておきますが、私はまあまあのブスです。その昔、STAP細胞の事件が話題になった時は、飲み会で知り合う男性ほぼ全員に「小保方さんに似てるね!」と言われました。小保方さんに似てるのはツンと上向きの鼻だけだろ!! 高橋真麻さんにも似てるんだわ!! と、当時は腹が立ったけれど、今なら冷静に思えます。

(私、鼻を出さなければ、まあまあイケてる……!?)

 というわけで、顔の鼻より上はそっと隠して写真を撮りました。わざわざ不利な情報は与える必要はないですからね。実際に会った男性はがっかりするだろうけど、こっちにはマンコがついているんだから、逃げられたりしない……はず。ヤリ目の出会いにおいて、ただのマンコほど強い物はない……はず(自分で言ってて、ちょっと哀しくなってきた)。

 プロフィールの一言メッセージ欄には『人に見られる仕事をしていますので、顔出しはできません。都内で受付の仕事をしています』ともっともらしい嘘をつきました。そして、詳細なプロフィールでも書くか、と思った時。

 キタ! メールが届き始めた!!!

『白雪さんの血液型が気になってしまって、夜も眠れそうにないので、思わずメールしちゃいました。たぶん、O型じゃないかなと思うんですが! メールください』

 ……え、ええ~~!?!? 写真(しかもほぼ顔伏せ)しか情報がないのに、ものすごい角度からアプローチして来たな!! 他にも『プロフィールが気になりました』と、多分登録したての女性に無差別に送っているんだろうメールが2件届きました。「まっさらなあなたに惚れました」と言われたほうがまだ良いような……。下手な鉄砲数打ちゃ当たる作戦をしているのがバレバレっすよ、皆さん。

 その後、6時間で12通のメールが届きました。やっぱり赤い服だから? ステルス勝負服だから? 多分、違います。登録したばかりの女性は、性別が『女』であるだけでモテまくるのが常……。気分は野球部に入部した、たったひとりの女子マネージャーです。

 結局、私が気になったのは、最初にメッセージをもらった血液型君でした。血液型くん(仮名)は、自己紹介欄も良いポイントをついているんですよ。

『理系の大学院を出て、自動車関係の会社で技術系の仕事をしてます! 顔は濃い目でハーフっぽいってよく言われます!』

そうそう、女子が聞きたいポイントをわかってらっしゃる!! プロフィールは短めだけど、熟練した整体師のようにツボを押してくる血液型男子! 彼は、血液型どころかほとんど何も公開していない私に、「O型ですか?」という観点から責めてきました。その姿勢が素敵です。私が男性のふりをして、出会い系サイトをやっていた時は『こんにちは! プロフィールを見て気になりました』勢のコメントしかできなかったですもん……。

 この人、出会い系サイト慣れしているのか? 女性が食いつくと分かっていて送っているのか? それとも、お笑い系の養成所にでも通ったことがあるのか? 気になる気になる気になる! とりあえず、返事を打ってみます……おほん。

『こんにちは! お返事ありがとうございます♪ 血液型はA型です。血液型くん(男子名)はお仕事中ですか? 私はカフェで本を読んでいました♪』

 いきなりエッチな話題をブッ混むのはさすがにKYかと思って、真面目な文章にしてみました。本当は『血液型さんはどんなプレイに興味がありますか? 私のマンコはうずいています』と打ちたかったけど、それじゃ満員電車でスポーツ紙のエロページをひけらかしているおじさんみたいに場違いなエロさな気がしましたし、彼が仕事中でコーヒー飲みながら『マンコがうずいています』なんて文章を見たら、さすがに連絡をしてくれないかもしれないですし、グッとこらえたのです。私って、何だかんだ言って常識人なのであります……。

 さて、彼の連絡を待ちつつ、今回はこのへんで。次回は血液型くんとのアレコレ(主にセックス)について書ける……はず!! 白雪は無事に血液型くんとセックスできるのか!? 次回をご期待くださいませ!!

(白雪 魔夢子)

最終更新:2017/07/13 20:00
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