【連載】美容整形Dr.高須幹弥に訊く!

ヴァニラのような“人形願望”患者は「自己否定が強い」――Dr.高須幹弥がその素顔を語る

2017/07/03 21:00

醜形恐怖症、整形依存とわかっていながら「やめられない」

 とはいえ、現実問題、人間が人形顔になるのは不可能に近いし、近づくだけでも、体にかなりの負担を強いる施術をしなければなりません。お金もかかるし、施術によっては、後々弊害がでることだってあり得ます。

 なので、僕としては、体にも財布にもムリがなく、後のリスクも少ない整形を勧めたいんです。そのため、僕のところへ、人形顔を希望して来る患者さんには、元の顔を生かして、最小限の整形で安全に可愛くなれる施術をアドバイスしています。

 あと、人形顔を希望してくる患者さんの中には、ドクターストップがかかるたびに病院を変え、いくつもの美容外科を転々としながら整形を繰り返している人も多いです。そのような方に対しては、整形を繰り返すリスクを伝えて、本当に必要な施術だけに留めたり、整形を“アンチエイジング”にシフトする提案をしたりしています。

 でも中には、「とにかく人形顔にしてほしい」と主張される方、親御さんも一緒になって「この子の希望通りにしてあげて」と懇願される方もいらっしゃいます。そんなときは、あらためて患者さんの気持ちに寄り添って話をしたり、整形後のコンピューターシミュレーションを見せたりして説得するのですが、それでも譲らない場合は、正直に「リスクの高さをわかった上で、僕はお受けすることはできません」と、頭を下げて謝るしかありません。

 驚いたことに、半数くらいが醜形恐怖症や整形依存の自覚があるのに止められない状況なんですよ。そのような方が、僕のアドバイスをきっかけに自身の顔で満足できるようになり、リスクの高い整形ループから抜け出せた場合もあるので、本当にうれしいですね。

takasumikiya01 高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
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最終更新:2017/07/03 21:00
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