祝・ホスト通い卒業! 約1年ホストクラブに通った昼職OLが卒業できた理由

2017/06/03 20:00

 おかーさーん! 私、ホスト通い卒業したよ!

 筆者がホストクラブという世界に足を踏み入れたのは、約1年前のこと。それまでは夜の世界とは無縁の昼職OLだったのに、ひょんなきっかけでホストクラブの“魔力”に心惹かれ、いつしかホストに通うことが生活の中で当たり前になってしまっていました。しかしこのたび、業界から足を洗う担当ホストと共に、私もホスト通いを辞めることができそうです。

■坂口杏里が狂うのもわかる! 約1年ホストクラブに通い続けた昼職OLの記録

■担当との別れは突然おとずれる
 私がホスト通いを辞めることができた理由は、単純に指名していたホストが業界から足を洗ったからでした。そう考えると、ホストクラブにじゃなく、いつしかそのホストの人にハマっていたんですかね。最初はホストクラブの雰囲気が好きで、ホストとワイワイ酒を飲むのが楽しくて通っていたハズだし、指名していたホストのSと私は完全に友達みたいな関係だったんですけど。

 でも、日常的にLINEのやりとりをしたり、顔をあわせるうちに「なんだか好き」っていう気持ちが芽生えていたのはたしかで。私はお金持ちでもないのに、いつしか「彼を応援してあげたい」とも思っていました。今振り返れば“担当狂い”だったのかもしれません。

 そんな時でした。Sから「ホストを上がる(辞める)」と聞かされたのは。前々から心のどこかで「ホストは楽しいけど、長く通うものではないなあ」と思ってはいましたが、突然タイムリミットを告げられ、拍子抜けしたのを覚えています。初めてその言葉を聞いた時は「ホスト通いを辞められる!」といううれしさ、そしてワケのわからない寂しさが頭の中をぐるぐるしていて。「卒業まで楽しもうね」っていうSに「そうだね」としか答えられませんでした。

 Sいわく、客に何も言わず消息を絶つホストもいるそうです。たしかに通っていた店でも、突然辞めてしまうホストがいたりました。別れの言葉もなく姿を消された姫の心境は計り知れません。そう考えると、辞めることを言ってくれたSは良心的だったのかも。でも、辞めるから、最後だからって煽られましたけど(苦笑)。

■もっと素直になればよかった
  その“ホスト辞める宣言”から、卒業までは数カ月の期間があったのですが、振り返れば本当にあっという間でした。一時は「寂しい」という気持ちは忘れていたのですが、卒業の日が近づくにつれて、心がざわざわしはじめて。川嶋あい、お願いだから頭の中で「旅立ちの日に…」を歌わないでくれ……!

  筆者は『テニミュ』のオタクだったりするのですが、このざわざわした気持ちは、大好きな公演の大千秋楽が日に日に近づいてくる時の気持ちとなんとなく似ていて。好きだったものが“終わってしまう時”はやっぱり寂しい。しかもホストは『テニミュ』と違って、かなり密な関係であるからなおさら。

 『テニミュ』の大千秋楽ではボロボロに号泣する筆者ですが、Sとの最後の日は絶対泣かないと決めていました。けど……泣いちゃったんですよね。だって、絶対泣くキャラじゃないと思っていたSが涙を流し始めたもんだから! つられ泣き! 最後の時も歌舞伎町で子どもみたいにわんわん泣いてしまって、Sに「気持ち悪い客」って思われただろうな(白目)。その日のSは、卒業を祝うシャンパンコールが続いていたせいもあってかなり酔っ払っていたので、覚えていないことを祈るしかないです。

  Sがホストを上がってから数日は喪失感に襲われて、現実逃避のためにアニメやゲームに没頭していたのですが(オタクで本当によかった~!)、その中でやっと気付いた気持ちがあって。私、Sのこと結構好きだったみたいです。でもライクなのかラブなのかは、イマイチわからないですが(笑)。正直な話、「それなりに金を使ったから、好きって思ってないといけない」っていう強迫観念的なものがあるような気もしています。

 それと、卒業前は「どれだけ仲を深めても、“ホストと客”であることには変わりない」って自分の中で決めつけていたから、「絶対好きって思いたくないし、本人にも言わない」って意地を張っていましたね。あと好きって自覚したらお金使っちゃいそうですし。

 ここまでまどろっこしいことを言ってきましたが、ホスト通いを卒業できたきっかけをくれたのは紛れもなくSのおかげだと思っているので(ちょうど良いタイミングで辞めたってだけかもしれないですが)、それに関しては本当に感謝しています。

 でも、前からもっと素直に自分の気持ちを伝えていればよかったと、ホスト通いを卒業してから感じています。ただのわがままだと“痛客”になってしまいますが、もうちょっと可愛げのある姫でもよかったんじゃないかなって。なにホストごときに意地を張っていたんだと。金を払って擬似恋愛的なものを楽しむ場でもあるんだから、それをしとけと。それだけがひとつ心残りです。

 ちなみに、冒頭にて「業界から足を洗う担当ホストと共に、私もホスト通いを辞めることができそう」と書いたので、「こいつ上がった担当と結婚でもすんのか」と思ったホス狂いの方がいるかもしれませんが、決してそんなことはありません(笑)! 最後まで完全友営でしたよー! わーい! たーのしー!

 最後に、この原稿を執筆している最中、どうしてか祖母のとある言葉が何度も頭に浮かんでいました。その祖母は大の犬好きで犬を数匹飼っていたのですが、最後の犬が死んでしまって以降は、「また寂しい想いをしたくないから」と言って、周りがどう勧めても決して犬を飼おうとしません。

 楽しい時間を過ごせると分かってはいるけど、いつか来てしまう別れに寂しい想いをしたくないからでしょうか。私もホスト通いを辞めてから、またあのきらびやかな世界に行きたいと思うことはありますが、今は頭の中に「また寂しい想いをしたくない」という言葉が浮かんでいて。

 まあ、Sが「もーホストクラブに行くのはやめなさい」って言うから、もうホストには行きませんけど♡ フラグじゃないですよ!?

最終更新:2017/06/03 20:00
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