勃起したら穴で射精しなければならない、なんて誰が決めたの? 挿入を伴わないセックスの可能性=例えば勃起観賞

2017/05/07 20:00

私は、挿入という行為が嫌いです。自分の身体のどの穴にも、チンコを入れられることを私は好みません。マンコ、アナル、お口……他の穴は試したことありませんが、鼻や耳もおそらくイヤだと思います。

しかしながら、男性相手のセックスアピールや性的な接触が一切苦手というわけでもありません。エロ可愛い下着とか着たいし、フェティッシュバーのように安全を確保された場所でキワドイ格好をするのも幸せです。そして、好きな人とはイチャイチャしたい。

しかし、初回でも自己紹介したように、私は変態文化や変態の話題が大の好物。お陰でエロい(セックスすることが大好きな)のではないかとすぐに勘違いをされるわけですが、正直その勘違いは迷惑極まりありません。「挿入を伴うセックス」が当たり前とされる世の中では、「セックス好き」は「挿入好き」と同義だからです。

◎私が挿入を嫌うワケ

「挿入を伴うセックス」を気持ちいいと感じたり、なんの違和感もなく受け入れたりする方が男女問わず大勢いることは、物心ならぬセックス心がついたころ(セックスに関する最も古い記憶がある頃)から気付いておりました。ただ、あらゆるリスクを払ってまで挿入を伴うセックスに積極的に挑む理由が今のところ私には見出せていません。不感症ではないですし、ムラっとすることも無くはないのですが、挿入でイッたこともなければ、ムラッとしたからorイチャイチャしたから、イカないと気が済まないなんてこともありません。愛する人と物理的に接続されている感覚が幸せという心理は、全く分からないとは言いませんが、あなたたちは電源プラグかレゴか何かですか……? とツッコミたくなります。

よって、冒頭では「私は挿入行為が嫌い」と述べましたが、正確には、「挿入行為にメリットが見出せない」ので、「なるべくやりたくない」にも関わらず、説明や説得をしない限り「避けられない」から「嫌い」なのです。

◎勃起→挿入→射精は「本能」という説

チンコの欲求の一連の流れを「本能」という一言で片付ける方がしばしばいらっしゃいます。しかし、考えてみてください、本能って「個」の意志とは別物ですし、避妊して及ぶセックスで本能も何も……って感じじゃないですか?

ちなみに、「本能」って変態をも排除する考え方だと思うので、個人的に全く相容れない……というか、本当に嫌いな言い訳です。子孫繁栄にも、生命維持活動にも、全く必要じゃない変態行為や変態文化は、「本能」を振りかざした途端、排除されてしまいます。

◎挿入&射精をゴールとしないアイデア

こうして挿入嫌いの私が、我慢して挿入と射精に付き合うことなく、挿入スレスレまでのセックスを純粋に楽しむには、最終的に入れる“穴”がなければ良いのではないかと1年ほど前に思いついたのですが、マンコを塞ぐというのは今のところかなり現実味がありません(真っ先に思いついたのがこの方法でしたが、性同一性障害の診断もなしに、今の日本で実費で手術するというのは相当困難です)。なので、いますぐにできる私なりのセックスの楽しみ方として「セックス=勃起した男性を観賞すること」というのを思いつきました。

短期間ではありますが、実践&過去の記憶も改ざん(過去にセックスをした相手を観賞目線で思い出すなど)してみた結果、「悪くないぞ」と実感を得た私にとっては、「勃起観賞」がもはや性癖のひとつと言えるのかもしれません。

◎勃起した男の人って、もしかして可愛いんじゃないの…?

私が思うに、チンコって造形的に美しくないし、ましてや挿入が嫌いな私にとって、勃起したチンコってウッカリすると憎悪の対象になってしまうのですが、よく考えてみると勃起している男の人って、実は結構可愛いような……。というのも、勃起している人の“マヌケ可愛さ”に気付いてしまったからなのです。(※「勃起した男性の姿がマヌケである」という見方は、水嶋かおりんさんの著書『風俗で働いたら人生が変わったwww(コア新書)』にも似たような記述が出てきます。私はめちゃくちゃ共感してしまいました)

◎勃起人の可愛さ解説

この思考回路をもう少し丁寧に解説するならば、目の前で勃起している男性というのは、その瞬間、「私よりも弱い生き物」と化しているのです。私がこの男性の玉袋と弱味を握っている状態と言いましょうか。例えるならば、映画に出てくる女スパイのように、その気になれば私は隙を見て(隙だらけだからね)この男性に毒を盛ったり刺し殺したりできてしまうのではないかと思うほど、私の方が強い立場にあると感じるのです。

社会的・肉体的に本来ならば私より力を持った存在であるその男性が、その瞬間だけは、確実に精神的に私より弱い存在になるのです。この感覚、一見ミサンドリーの成りの果てのようですが、私にとっては、男性のことを「性的に愛おしい」と思える貴重な瞬間であって、できることならこの場面をラストシーンに事を終えたいのであります。

◎ただ、そうもいかないことが多々
そうなのです。これだけ「挿入が好きじゃない」と明確に自覚している私ですら、やはり「観賞」後の展開、つまり穴への挿入を避けられないことが多々あります。残念無念……。

相手男性が「勃起→挿入するしかない」という概念の持ち主かどうか、事前に分かるものなら、そういう発想の殿方は、観賞用としてはオススメできません。と言っても、残念ながら世の多くのチンコ(と繋がってる脳みそ)が、そういう発想を持ち合わせているので、女性側が挿入したくなくても観賞のみで終われない可能性が高いでしょう。

ちなみに私、男性が「挿入しないと気が収まらない!」となった状態のことを「挿入モード」とコッソリ呼んでおります。この「挿入モード」には、だいたい入る瞬間が存在していて、それが結構分かりやすい……ただ「挿入モード」に入る少し手前で気付いて上手に引き返すのは、なかなか難しく未だ成功率は低いです……(次はこの感覚を極めたい。笑)

◎想像してみよう、挿入しなくていいモード
「勃起してるけど、挿入はしなくてもいいモード」というものが少なからず世の中には存在していて、しかしそれにもまた数多のケースがあります。挿入しなくていいモードって、なんだろう? どんな感じだろう?

パターン1:射精できればなんでもいい

これは、比較的遭遇しやすい「挿入しなくていいモード」の一つかと思います。性欲バリバリだけど、実はマンコに執着がないというパターン。前戯やプレイでおっ勃ってしまったけど、「手や口でもいいよ」という方や「自分で処理します」という殿方ですね。

実は、セックス中に「挿入が苦手なの(ウルウル)」と言うとかなり高確率で「手や口でしごいて欲しい」とおっしゃる殿方に遭遇できると思います。

パターン2:射精への執着が弱い

これは、私にチンコが生えていた場合こんな感じなのではと想像しますが、イチャイチャしたり、“恋愛っぽい”ことは好きだけど、その先への執着が少ないという男性にあり得る展開です。もしくは、「性欲はオナニーで満たせるから、対人では恋愛欲・イチャイチャ欲だけ満たせればいい」という思考の持ち主もいるかもしれませんね。

パターン3:勃起しない

これは、本人が悩んでいたら決してポジティブには語れませんが、勃たなくてもいいと思っている方(っているのかな。私は出会ったことはないですが)がもしいたら、挿入も物理的にできませんから、挿入に怯える必要はありません。ただ、今回のテーマである「勃起した男性の観賞」もできませんけどね(笑)。

一方で、稀に「勃たないのに、めっちゃ挿入したい」という方もいます。これは、マヌケ可愛いわけでもなく(隙があるという感じでもない)、ただやり場のない欲求だけを向けられることになるので、案外怖いといいますか……冷静に説得して一緒に病院とか行ってあげたらよかったのかしら……?(若かりし日の私には、他人のチンコを想って行動するという発想はありませんでした……ごめんなさい)

◎結局は「やりたいこと・やりたくないこと」の自覚と共有が鍵
さて、ちょっと脱線気味になってきましたが、挿入されるのが好きな女性もいれば、私のように挿入が嫌いな女も世の中にはいるんですのよ。以後お見知りおきを。そして、もしかすると、男性でも挿入行為を好まない方はいるかもしれませんね。セックスにおいて、お互いの「やりたいこと」「やりたくないこと」を提示し合うことが当然の工程であればいいのにと、私は常々思います。

先日拝読しましたエリカ・ラスト監督に関する記事では、ポルノ作品制作で役者全員の「やりたいこと・やりたくないこと」リストを作る話や、撮影現場でもひとつひとつの行為に関係者の合意を取っていくという話に、深く感銘を受けました。

ということで、私のセックスにおける「やりたいこと・やりたくないこと」リストを提示しておしまいにしましょう。(誰得?笑)

<やりたいこと>
・イチャイチャ
・勃起させる 

<やりたくないこと>
・私の穴にチンコを入れられる
・私の穴を使って射精される 

もちろんここにあることでも、相手と一致しなければやらないだけのことで、ここにない行為に関してはその都度相談を設けたいですね。あとは当然、相手やタイミングが違えば内容も変わってくるでしょう。

みなさんも意外と繊細な性的趣向をお持ちかもしれませんよ。是非一度、好きな行為・嫌いな行為でリストを作ってみてください。字面にして客観的に見ると「実は自分って変態だったのか」と思えるかも。(認めよう!変態!)

最終更新:2017/05/07 20:00
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