【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

派遣先の経営者と婚外恋愛、離婚、そして愛人へ――バツイチ女性が語る「私は女に嫉妬される」の意味

2017/03/25 16:00
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(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 恋愛体質の女性にとって永遠の悩みは、恋を取るか、友情を取るか、ではないだろうか。学生時代に女友達との約束をすっぽかして恋人に会いに行く……なんてことを繰り返す女は、グループに1人は存在していたような気がする。そして、女の友情を大切にしない女は、大抵同性から嫌われる。

「嫌われてもしょうがないですよ。私の生活って、多分女にとってはあこがれだから、嫉妬されるだろうなって」

 そう話す充希さん(仮名)の表情は、あっけらかんとしていた。

■「年上の男」に強くあこがれてしまう

 今回お話を聞かせてくれた充希さんは、30代前半の独身女性。若くして結婚し、20代であった2年前に離婚を経験しているという話を聞いていたので、派手めのルックスを想像していたが、艶のあるストレートの黒髪に白い肌、グレーのニットという外見は、「婚外恋愛」「早婚」「離婚」などという突飛な言葉とは無縁のように感じられる。淡々とした穏やかな口調からは、いわゆる「お嬢様」な気品すら漂っている。筆者がそんな第一印象を話すと、充希さんは楽しそうに笑った。

「そういっていただけると、うれしいですね。私、母子家庭で育ったんですよ。離婚の原因は詳しく聞いていませんけど、多分母親の浮気だよねって妹と話しています。母は友達も大勢いたし、たぶん相当モテるんじゃないかな」

 いわゆる“バリキャリ”であった充希さんの母親は、明るく自由な性格であった。そのためか自然と人を惹き付け、自宅には女性の友人はもちろん、見知らぬ男性もちょこちょこと顔を出していたという。

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まさに「自分の幸せは自分が決める」ってやつか
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