仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

ウーマンラッシュアワー・村本大輔、“女好き”なのに、なぜか「童貞」っぽいワケ

2017/02/09 21:00

 今はなき『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京)の企画で、収録の空き時間中のトークを隠し撮りする企画があり、そこで村本が、女性不信を告白したことがあった。一般人女性を好きになった村本は、「2年かけて、一途に好きと言って」「女の電話番号を全部消して」交際に持ち込んだが、彼女が携帯を手放さないことで浮気を疑う。携帯を盗み見たところ、浮気していることが発覚。村本は“お仕置き”として、女性にとって酷なプレイを強要するが、混乱した彼女が警察を呼ぶ騒ぎに発展する。浮気をしただろうと問い詰めると、彼女に「これだけ束縛されたら、爆発する」と返されたそうだ。ちなみに村本の束縛とは、「男性としゃべること禁止」「携帯の男性のメモリは削除」とのこと。女性の浮気を疑うのは、これまで彼氏や夫のいるファンの女性と関係を持ったことから、「女は浮気をするのが普通」と思うに至ったからだという。

 女性不信が強いわりに、村本はそれでも女体を追い求めることをやめない。外見のレベルが高い女性にはそれなりのホテル、そうでもない女性とはトイレ、ブサイクとは外で性交すると同番組で語っていた。心理学的に、「『アイツは〇〇しているに違いない』と思う時は、自分が〇〇している時である」と言われているが、村本は、自分が行きずりのようなセックスばかりしているから、相手も同じに違いないと思ってしまうことに、気付いていない。つまり、村本の女性不信は、実は自分自身の問題なのではないだろうか。

 村本を見ていると、“一途”という言葉が好きなことに気付く。上述の浮気された彼女にもその言葉を使っているし、また2月4日放送の『土曜The NIGHT』(Abema TV)でも、「一途な女、男が損をする」と発言していた。村本は自分が一途な場合、相手からも一途を回収しようとする。「自分が〇〇だから、相手にも〇〇でいてほしい」と願うのは、自分がかけた労力と同じリターンがほしいというケチな人の発想ではないだろうか。先輩が後輩におごることが当然とされるお笑いの世界で、村本のケチぶりはよく話題になるが、メンタル面もまたケチなようである。そんな“ケチメンタル”は、相手からの見返りが多くないと失望したり、自信を失くしたりするので、対女性であった場合、ますます女性不信が強くなってしまう。

 童貞でなくなるということは、女性が自分とは違う構造の肉体と精神を持つ、同じ人間であると知ることではないだろうか。女性を卑しんだり、過剰に神聖視することではない。『ざっくりハイタッチ』で村本は、過去に嫉妬しないで済むので「処女がいい」と発言していたが、相手の女性が本当に処女か見極める能力が彼にあるのだろうか(処女だと演技する女性がいないとは言いきれない)。

 蛇がいることは証明できても、蛇がいないことは証明できないように、浮気しない人を探しだすことは不可能である。それに気づかずに、“証拠”を求めてさまよう村本は、やっぱり童貞に思えてならない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2017/02/09 21:00
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