[連載]海外ドラマの向こうガワ【特別篇】

恋愛リアリティ番組&シンプソン事件の裏側を描いた衝撃作! エミー賞の注目作をおさらい

■『UnREAL』(米Lifetimeで2015年6月1日に放送開始。日本未放送)
第68回エミー賞 ドラマシリーズ部門「助演女優賞」「脚本賞」にノミネート

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 日本版の制作が決定した、人気恋愛リアリティ番組『バチェラー』。1人の金持ちイケメン独身男(バチェラー)と25人の花嫁候補を豪邸に住まわせ、女性たちに花嫁の座を競い合わせるという番組で、本場アメリカでは大ヒットしている。『UnREAL』は、この手の「若くて勝ち気な美女たちに、勝ち組の男の取り合いをさせる」リアリティ番組の裏舞台を描いた作品だ。

 台本なしとされているリアリティ番組だが、番組プロデューサーたちがひともんちゃく起きるような仕掛けを作ったり、オモシロおかしく編集・演出しているのは暗黙の了解。アメリカの『バチェラー』は現在(16年10月)まで20シーズン放送されており、これだけの長寿リアリティ番組となると、出演者数が多いことから口封じされているはずの暴露話もリークされる。「花嫁候補になるためには、精神鑑定や性病検査を受けなければならない」「男性プロデューサーと性的関係を持った花嫁候補が何人もいる」「イメージ通りの役になりきれと強要される」「ドレスは自腹」などなど。『バチェラー』は、数多くあるリアリティ番組の中でも、「裏舞台はエグい」と暴露されている作品なのだ。

 そんな『バチェラー』を10年間手がけてきた元女性プロデューサー、サラ・ガートゥルード・シャピロが、番組制作の裏話を暴露した脚本を執筆。これが『UnREAL』なのである。

 『UnREAL』に登場する番組タイトルは、「永遠の」という意味の『Everlasting』だが、『バチェラー』のことであるのは明らか。サラはインタビューで、「悪いことだ」とわかっていながらも、視聴率のために特定の女性を悪者に仕立てたり、女性たちの許可なくドラマチックに編集したことを懺悔しているが、同作の主人公である女性プロデューサーには、そんなサラの気持ちが反映されている。『バチェラー』は女性を見下していると批判する意見もあるが、そう脚色しているのが実は女性だったという点も興味深い。

 あまりにもエグすぎて複雑な気持ちになるが、それでも見続けてしまうのは、視聴者の心理を熟知しているサラの脚本だから。日本版『バチェラー』も始まるため『UnREAL』が近いうちに日本で放送されることを、ぜひ期待したい。

■『Getting On』(米HBOで13年11月24日~15年12月13日放送。日本未放送)
第68回エミー賞 コメディシリーズ部門「主演女優賞」「助演女優賞」にノミネート

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 高齢女性専門病棟が舞台の医療コメディ『Getting On』は、高齢者医療従事者の現実をシニカルに描いたイギリスの人気コメディの米リメイク版で、テレビ批評家から高い評価を得た作品だ。男運がなくストレスと性欲がたまっている婦長、生活のために必死に働く人間味あふれる中年女性看護師、高齢女性の会陰が縮むことに関する調査研究に必死な中年女性医師を中心に物語は進んでいく。

 ドラマの舞台である病棟には、認知症患者、重病患者、大暴れする精神病患者、亡くなる患者もいる。ダークコメディとはいえ、本物の病棟で撮影されたのではないかというほど小道具はリアルで、医療スタッフを演じている役者たちも、どこにでもいるような外見の演技派役者ばかり。まるでドキュメンタリーを見ているような感覚になる。物語はテンポよく進んでいくため、患者が死亡しても悲愴感はない。とはいえ、決して高齢患者を軽んじているわけではなく、主要登場人物たちの人間らしい温かい部分も、しっかりと描かれているのだ。

 同作には、病院が抱える予算問題、医師や看護師が持つストレスや悩みも描かれている。下ネタも満載だが、医療ネタにかけているため、下品ではない。仕事にストレスを感じる一方で、患者たちを助けたいという気持ちや思いやりも丁寧に描かれているからだ。一夫多妻家族の日常を描いたヒットドラマ『Big Love』を手がけたマーク・オルセンとウイル・シェファーがクリエーターを務めているため、安心して見ることができるという意見も多かった。

 『Getting On』は13年11月にスタートし、15年12月にファイナルとなるシーズン3で終了した。シーズン3では主要キャラクターたちが笑えない状況に追い込まれるが、最後は予想外の展開で幕を閉じ、視聴者を満足させた。コアなファンが多かった『Getting On』。世界一の超高齢社会の日本でも、ぜひ放送してもらいたいものである。

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