信用のなさが……

ジョニー・デップと離婚したアンバー・ハードが、動画でDV被害について訴える

2016/11/28 19:00

 「女性への暴力っていうのは、実際に殴る蹴るなどの体への暴行だけじゃない。この問題に我々がどう対処するのか、メディアや文化がどのように伝えるのか」「みんなが安心できるようにするには、誰にも話しちゃいけないんだというこの悪しき風習を変えようって声を上げること、立ち上がること」と持論を展開し、「声を上げなさい」「立ち上がりなさい」とカメラに向かって呼びかけた。

 最後にアンバーは、「あなたの声は、ものすごい力を持つものなのよ。私たち女性は立ち上がり、協力し合って、“もう沈黙なんて受け入れられない”って抵抗すべきなの」と強い口調で言い、「女性への暴力を撲滅させる時がきたと思ったならば、このビデオをシェアしてください」と拡散を呼びかける字幕が映し出され、動画は終了する。

 「世間の目にさらされながら」との発言から、アンバーがジョニーから受けたDVについて語っているのは明らか。目や表情で悲しみや怒りを表現しており、時には涙ぐみ、ジョニーから受けたDVにより心はまだ傷ついていることをアピールしたようにも見受けられる。

 DV被害者女性に対して勇気を与える感動的な動画なのだが、実は世間の評判はすこぶる悪い。その大きく分けて理由は3つ。1つ目は、アンバーがDV加害者として逮捕歴があること。2つ目は、1,000万ドル(約11億円)の訴訟を起こされた直後のタイミングでこの動画が公開されたこと。3つ目は、あまりにもわざとらしく演技しているように見えることだ。

 1つ目だが、アンバーは2009年9月に、当時、同性事実婚状態だった写真家タスヤ・ヴァン・リーという女性に暴力を振るい、逮捕されたことがある。2人は空港で口論になり、アンバーがタスヤの腕を乱暴につかんで叩いたとして、DV容疑で逮捕されたのだ。アンバーは手錠をかけられ警察署に連行。聞き取りが行われた結果、事件性はないとしてすぐに釈放され、起訴もされなかった。しかし、この件で「アンバーも感情的になると暴力を振るう」という悪いイメージを持たれるようになった。

 2つ目は、今月21日に米大手業界サイト「Hollywood Reporter」が、アンバーが出演した映画『London Fields』のプロデューサーらから1,000万ドルの訴訟を起こされたと報じられたもの。「宣伝活動をしなかった」「14年度のサンダンス映画祭に作品が提出された後に、アンバーが『ヌードシーンの使用について許可していない』と主張したため、脚本を書き直しを余儀なくされた」「第三者に作品の内容をリークした」など複数の契約違反行為をしたとして、損害賠償金を求められたのだ。ちなみにジョニーは、この作品で共演したビリー・ボブ・ソーントンとアンバーの浮気を疑い、切断した指を絵の具に浸して、「主演、ビリー・ボブとあばずれアンバー」と書き殴った。その写真が流出し、世間に大きな衝撃を与えたといういわくつきの作品である。

 3つ目は、離婚申請直後、ジョニーへの接近禁止令を取得するため裁判所を訪れた際、目の下に大きなあざをこさえ、裁判所を去る時に車で大き泣きする姿が報じられたのに、翌日は傷ひとつないきれいな顔で友人と爆笑している姿がパパラッチされたため。ほかにも、酔っぱらって怒鳴っているジョニーを隠し撮りするなどしたため、「計算高いアンバー」という印象を持つ人は多い。

 これらのことから、今回の動画について、ネット上では、「DV加害者として逮捕されたことがある彼女が言うことか」「1,000万ドル訴訟を起こされたと報道された直後にこんな動画を見せられても、イメージを良くしようと頑張ってるようにしか見えない」「なに、これ新しい映画のオーディション動画かなにか? まったく共感できない」「売名行為か」などと批判する声が殺到している。

 「ジョニーがいなければ、アンバーもただのきれいな大根役者。これからも話題作りとイメージアップのために、“ジョニーにDVされた元妻”という立場を利用するだろう」と相変わらず好感度の低いアンバーだが、17年こそは彼女とっても幸せな年になることを祈るばかりだ。

最終更新:2016/11/28 19:04
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