【連載】ヤリマン女の性生活報告

「セックスして傷付いてる女性は多いのかもしれない」SM、AVを経験したヤリマンアイドルの自己肯定感

2016/11/13 19:45

第3回 ヤリマンアイドル白玉あも(後編)

(前編はこちら)

白玉あも2
白玉あも

■初めての普通の彼氏との、普通の生活

「その頃、プロレス会場でよく見かけてたバンドマンと付き合うようになったんです。“今日も来てるね”みたいに話すようになって、向こうもすぐ“付き合いたい!”って、ガツガツくるタイプだったんで」

 交際を申し込まれたのは、初めてのことだった。

「当時バンドマンがよく使ってた『魔法のiらんど』ってサイトの日記に“はなちゃん(※本名)と写真撮ってきた。これ見てたら連絡してね!”って書いたりしてたんです。堂々と私のこと“好きだ”って言ってくれる人初めてでうれしくなっちゃって、その時はまだ彼とセックスしてなかったけど、連絡したら“付き合って”って言われて、“いいけど、私ソープ嬢だよ”って言ったら“えっ!?”って(笑)」

 驚くのも無理はない。

「でも、“じゃあ俺がソープ上がらせる”って言って家借りてくれて、“家賃も払わなくていいし、これでもうソープしなくていいでしょ?”って。私それくらい強引に引っ張ってってくれないと、人と付き合えないんだと思うんですよね。それからは、またカフェで働いて、27歳くらいまで3年半くらいは同棲してました。セックスもたまにするし、家で一緒にご飯食べるし、休みの日は出かけるし、向こうの友達とも仲良くなったり、ホントやっと普通の人みたいなことができるようになって楽しかったです」

 特に手首を切ることもなく、彼女の人生でほぼ初めてともいえる“普通の生活”だった。

「出会い系もやらなかったし、そもそも男の人と遊ばなかったです。彼がまったくお酒飲まない人だったから、私も仕事終わったらすぐ帰らなきゃダメで、“家帰ってご飯作らなきゃ”って、お嫁さんみたいな感じでしたね。でも、長く同棲してるから“結婚あるかな”と思ってたんですけど、それは“ない”ってはっきり言われたんで別れました。“一生懸命低賃金で頑張って働いて、毎日家事もして一緒にいるのに、このまま年取って老けていくのは嫌だ”って思って、それからまたヤリマンに(笑)」

■汚れてる自分は“カワイイ”って思える

 そしてまた、彼女は風俗嬢に戻った。

「ほかに何していいかわからないから、とりあえず風俗でしたね。それまではヘルスとかソープやってたけど、“もう30歳が迫ってる”“30歳までにやりたいこと、興味あること、全部やらなきゃダメだ”って思って、ハードなことをやり始めました。ソープも中出しのノースキンの店に行ったり。“即即NN(即尺即ベッド生中出し)”ですけど、やっぱり合わなくて、3カ月ぐらいで辞めちゃいました。そのあとはSMクラブかな。そっちは長くて2年以上できましたね」

 SMの方が肌に合ったということのようだ。

「収入もよかったけど、おもしろいっていうのが一番の理由かな。演技みたいなことするのがおもしろくて、お客さんも外ではちゃんとした人たちなんだろうけど、そこではホントの姿が見れるっていうか。ドSみたいなお客さんなのにウンコかけても勃起してたりしていて、“この人ホントはMなのかなぁ”とか」

 それまでSMなんてやったこともなく、怖いと思っていたが、ストレス発散にもなった。人間の裏側が見られたことがよかったのか、一般的にはよりハードだと思われているSMクラブの方が、ノーマルセックスのソープランドよりも、彼女には合っていた。

「セックス自体が、そんな好きじゃないのかもしれない。なきゃないでいいというか。SMは、単純に抜くのが目的の人たちじゃないんでよかったです」

 彼女の変態志向は、その後に出演するAVについても同じであった。

「AVも30歳になる手前のギリギリで始めたんですけど、SMクラブが楽しかったから、“楽しんでる時の自分を客観的に見たい。じゃあAVかな?”と思って。自分でプロダクションを探して始めたんですけど、やっぱり普通のセックスから始めて、だんだん“アナル解禁”“SM解禁”というように進めていくものだったんですよね。でも、私は、最初のノーマルなセックスの仕事は要らなかったんですよ。スカトロやってる私が見たかったから、最初から“3大NG”の方がやりたかった」

 AV界で3大NG事項といわれ、多くの女優が忌避する「アナル、スカトロ、ハードSM」というマニアックな世界。それこそが白玉あもの求めているものであった。

「最初は信頼がないから“試しに普通の現場行ってみて”って言われて嫌だったんですけど、普通の現場だと男優さんが“カワイイね”とか言ってくるんですよ。それがホントに嫌で、イライラして機嫌が悪くなっちゃって……。だって嘘だから。もっと若くてカワイイ女優なんていっぱいいるのに、そんなこと思ってるはずないですもん。昔から“カワイイ”って言われても否定しちゃうんですよ。お世辞が嫌いだから」

 白玉あもは、「自分のルックスも好きじゃない」という面倒臭い女優だった。しかし、場所が変われば気持ちも変わった。実際に出演したノーマル作品は5本程度、マニア作品は約30本。活動期間は半年くらいだが、想い出に残っているのは、やはりマニア系だ。

「全国のファンの家に行って、応募してきた素人とスカトロプレイをする『全国うんこ紀行』とか、楽しかったです。あとは『糞接吻』ってウンコ味のキスするレズものとか、1本糞でポッキーゲームをやるとか、どれも楽しかったですね。普段絶対できないことだったし、最高でしたね。そういう出演作は自分でも見ますね。パッケージにも糞まみれの自分がいて、“すごいなぁ!”って。そういう顔を“あもちゃんカワイイ”って言われると、“でしょ!?”って思えるんですよね。汚れてる自分は“カワイイ”って思える。やっぱり感覚がおかしいですよね、むちゃくちゃですよね」

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