『頭痛女子バイブル』著者インタビュー(後編)

「低気圧は頭痛になりやすい」は本当か? 頭痛専門医が明かす意外な事実!

2016/09/11 21:00
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『頭痛女子バイブル』(世界文化社)

 20年以上も抱え続ける筋金入りの片頭痛持ちだが、市販薬で治まるために持病のわりに頭痛について考えずにここまで来た。しかし書籍『頭痛女子バイブル』(世界文化社)は頭痛の症状や原因が網羅的に触れられており、知らなかった対処法までもが紹介されている。身近な病気でありながら案外知らない頭痛は、生活習慣でも改善できるのだ。また、飲酒時や寝すぎ・寝不足からの頭痛は、身に覚えのある人が多いはずだが、それら理由についても同著の監修を担当した、富士通クリニック頭痛外来の五十嵐久佳医師に話を伺った。

(PMSと頭痛の関係など、前編はこちら)

■酒、寝すぎ、風邪で頭が痛む人は片頭痛持ち

――頭痛にも「予防薬」があるんですか?

五十嵐久佳氏(以下、五十嵐) 予防薬にはいくつか種類があり、医師によって最初に処方する薬は違うかもしれませんが、私の場合は塩酸ロメリジンという薬から始めることが多いですね。毎日きちんと、最低2カ月間は服用していただきます。予防薬を開始する前後で頭痛ダイアリーをつけていただけば、患者さんにも私にも、予防薬を服用することにより、どれくらい頭痛が減ったかがわかります。そこで「頭痛が減ってきたので、このままもう少し続ける」や「効き目がないようなので別の頭痛予防薬にする」などの判断ができます。数カ月間様子を見て、月10日飲んでいた鎮痛薬が5日になれば予防薬を減らしたり、やめてみるということもできます。

――薬を飲むこと以外の頭痛対処法はありますか?

五十嵐 ご自身の工夫で頭痛を予防できることも結構あります。頭痛ダイアリーをつけることのメリットの1つは頭痛の誘因がわかってくることです。月経時に頭痛が起こることが多ければ、そのときは仕事をセーブし、よく睡眠をとって体を休めるようにします。アルコールは片頭痛の最も強烈な誘発因子の1つですが、ご自分で気をつけることができます。また、本の中に頭痛対策としてヨガやストレッチも紹介しています。こういった自助努力によって頭痛が減ってきます。

――アルコールが片頭痛の誘発因子ということは、飲酒時に頭が痛くなるのは片頭痛なのでしょうか?

五十嵐 はい。片頭痛持ちの人の多くがアルコールを飲むと片頭痛が起こります。また片頭痛持ちの人は二日酔いのときに気持ちが悪いだけではなく頭が痛くなりやすいです。風邪のときに頭ががんがん痛くなる人も、ほとんど片頭痛持ち。寝不足、寝すぎで頭が痛くなる人も片頭痛持ちが多いですね。

――まさにそれらのタイプですが、これら条件で頭痛を経験したことのない人もいるんですか?

五十嵐 います。私の夫は「頭痛なんて知らないなあ」って言っていますよ(笑)。

『頭痛女子バイブル』
え!? 頭痛を知らないってどんだけ徳を積んだのよ!
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