大柳珠美先生インタビュー

「リバウンドはしません」管理栄養士が、“糖質制限ダイエット”のウワサに斬り込む!

2016/08/21 19:00

――糖質制限で食べるべき、タンパク質、食物繊維の具体的な食品名と、オススメの食べ方を教えてください。

大柳 タンパク質系の食品の優先順位は、魚介、大豆製品、卵、赤み肉で、一食に魚介類と大豆製品を揃え、そこに場合によって、さらに肉や卵があってもいい……といったところでしょうか。特に豆腐は、水切りするとごはんのような味わいで、チャーハン、お茶漬けなどにできますよ。そのままごはん茶碗によそって、お漬物や明太子など好みのごはんのお供で食べるのもオススメです。

 食物繊維の食品は、緑の濃い野菜、もやしのボイル、淡色野菜の生サラダなど野菜、海藻(焼き海苔、もずく、ところてん、とろろ昆布など)、きのこ、こんにゃく、おからなどが挙げられます。食物繊維は、主食に代わる満足感を得るのに最適です。しらたきは、麺代わりに使えますし、おからは小麦粉がわりに蒸しパンが作れます。食物繊維はカロリーも少なく、食感も楽しめ、毎食、主食代わりにたっぷりと摂るというのを心がけてほしいですね。

――よく聞くのが、糖質制限で一気に痩せたけれど、すぐにリバウンドしてしまったという例です。

大柳 リバウンドは、エネルギー制限ダイエット(摂取カロリーを制限するダイエット)で起こるものです。エネルギー、タンパク質が不足することで、自らの筋肉を削ってエネルギーや体タンパク質をまかなうため、基礎代謝が低下してしまいます。糖質制限ではリバウンドは起こりにくいですが、糖質制限を終えてから、糖質の“どか食い”を続けると、当然リバウンドします。

 目標の体脂肪までダイエットが成功した後も、主食を食べるなら、朝か昼にした方がいいですね。グルテンフリーを基本とし、雑穀ごはん、発芽玄米ごはん、かぼちゃや芋を蒸すだけなどが望ましいでしょう。またデザートも、乳酸菌が摂れる麹の甘酒、ポリフェノールが摂れるカカオ分の高いチョコ、酵素が摂れる季節の果物をヨーグルトと、ミネラルが摂れるドライフルーツをクリームチーズと……などに。栄養も摂れて添加物がない、自然な糖質を少量楽しむのがオススメです。

――これまで好きな物を好きなだけ食べていた人が、いきなり糖質制限を始めても大丈夫でしょうか?

大柳 ジャンクフード(コンビニ食、ファーストフード食、市販の揚げ物)や外食(酸化油脂の摂取)が好きで、そのような食事を長く続いていた方は、痩せにくい傾向がみられると思います。おそらく、腸内環境から整える必要があるでしょう。腸内環境を整えるには、ダイエットを機に加工品を控え、野菜はもやしのボイル、貝割れ大根などのスプラウト野菜、きゅうりをかじる、レタスをちぎるだけなど手軽なものを食べてください。ところてん、とろろこんぶ、焼き海苔、刺身こんにゃくなど、食物繊維でおなか一杯にするところから始めましょう。そこに、魚の缶詰を開けるだけ、冷奴、納豆を出すだけ、冷凍枝豆をつまむだけ、ゆで卵、ゆでたささみなど、シンプルに実践し、酸化油脂、食品添加物などを、極力摂らないようにします。

――ちなみに、糖質制限には“間食”はNGでしょうか?

大柳 いえ、そんなことはありません。例えば、クリームチーズやナッツに、ココナッツ油をいれたコーヒーや白湯、紅茶などはどうでしょう。また、「納豆を焼き海苔で巻く」「きゅうりを1本を、味噌つける」「魚の缶詰や肉のボイルをつまむ」など、“小さな食事”を摂るようなイメージで間食をするのは構いません。

――先ほど先生は、「基本的に、健康で体脂肪に悩む肥満がある人」ならば糖質制限を行ってもよいと言っていましたが、肥満というよりも、ややぽっちゃりもしくは普通体形の女性が、短期間で3~5キロのちょっとしたダイエットをしたいという場合も多いと思います。そういった人でも、糖質制限で体調を崩すなどの心配はないでしょうか?

大柳 大丈夫です。ややぽっちゃり、普通体形の方でも、ダイエット期間中は基本3食、主食は抜いてよいと考えます。そういう女性は、筋トレで成長ホルモンを出して痩せやすくするのもオススメです。その際は、筋肉の材料となるたんぱく質のおかずをしっかり食べましょう。そこに、食物繊維をたっぷり毎食摂ることを意識して腸内環境も整えておきましょう。

最終更新:2016/08/24 20:33
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どか食いをいかに防ぐかがうちらの課題よ!!
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