実は「何を見ても一緒」じゃない!

大沢たかおの怪演に、クマとの格闘シーンも! 絶対見るべき、スティーヴン・セガール出演作5選

2016/08/21 17:00

 ハードボイルドを愛する世界中の男たちから絶大なる人気を誇る、俳優のスティーヴン・セガール。本音しか語らない寡黙な男で、正義を愛し、地域の安全と平和のためにアメリカでは保安官代理としても活動している。190cmを超える大男で、愛想なくぶっきらぼうだが、心優しい慈善家としての顔も持つ。チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世とも交流があり、ロシアのプーチン大統領とは柔道を通して兄弟のような仲を築いている。ギターの腕もプロ級でラスタ音楽を極めるなど、「やることなすことカッコいい」と根強い人気を得ているのだ。

 そんなコアなファンを持つスティーヴンの主演作品は、アメリカでは映画館で公開されずにDVD販売となるものがほとんど。それでも全世界で累計7億ドル(約720億円)を超える売り上げを誇っており、史上最高のB級スターと崇められている。今回はそんな唯一無二のアクションスター、スティーヴン・セガールの魅力がたっぷり詰まったB級映画を5作紹介しよう。

■『暴走特急』(1995)

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 日本で武術の修行をし、道場主にまでなった後、世界中に合気道を広めるため36歳で俳優デビューしたスティーヴン。かなりの遅咲きだが、ハリウッドが新しいアクションスターを求めていた時期だったこと、80年代に欧米人の間で「武術」「合気道」が大流行していたことから、米大手映画製作/配給会社のワーナー・ブラザースは、スティーヴン主演映画の製作を即決。『刑事ニコ 法の死角』(88)でデビューし、「東洋武術に精通し、サムライのように髪を結び、禅の心を持つ大男」として世界中から注目されるようになった。デビュー後も出演するのは主演映画ばかりと厚遇されていたスティーヴン。そんな彼が、熱烈なファンを生み出したのは、『暴走特急』だとされている。

 『暴走特急』は、スティーヴンの主演第1弾である『沈黙の戦艦』の続編。「『沈黙の戦艦』の主人公ケイシーは、乗っていた列車が偶然テロリストに占拠され、一緒に乗っていた姪、そして罪なき乗客が人質となる。唯一人質にならなかったケイシーは、傷一つ負わずに凶悪なテロリストたちを次々と倒し、姪を救う」という物語だ。

 DVDのジャケットには「きりっとした顔で、猛スピードで走行している列車につかまりながら銃を構えるセガール」の写真が採用されているが、作品内でもこの「きりっ」としたキメ顔で、次々とテロリストを倒していく。銃やナイフも使うが、終盤では素手で格闘一筋。狭い車内で軽く構えのポーズを取り、体の軸がぶれることなく手技・足技で敵を倒して行く姿は、圧倒的な強さを見る者に印象付けた。武器を装備した大勢のテロリスト相手に、時にはロッキー山脈を走行する列車の上に乗って戦う彼は、バランス感覚も抜群。列車から落ちても涼しい顔でまた乗り込むなど、「不死身」「無敵」だと認知されるようになったのである。

 姪役にはまだ無名だったキャサリン・ハイグル(『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』)、悪役にエヴェレット・マッギルやエリック・ボゴシアンら実力派俳優が登場しているが、あまりにもスティーヴンのキャラが際立ち、強いケイシー対その他大勢という一人舞台状態。「素手で戦える無敵のスーパーヒーロー!」とアクションファンを虜にした。

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