魔の79歳引退説

『笑点』に続き、あの長寿番組も“世代交代”!? 名物MCに忍び寄る“高齢化”の波

2016/07/10 10:00
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『生活笑百科』(NHK)公式サイトより

 桂歌丸から春風亭昇太へ――。5月、大人気番組『笑点』(日本テレビ系)で起きたまさかの司会交代劇。だが、もう1つ、大物落語家が司会を務めるある人気番組にも、知られざる “世代交代”の波が訪れていた……。

「『バラエティー生活笑百科』(NHK)です。この番組は、『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)や『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)などが控える土曜昼の激戦区で、1985年から放送されている長寿番組。身近な法律相談に対して弁護士が回答する『法律相談番組』の先駆けで、『行列のできる法律相談所』(同)にも影響を与えたといわれています」(芸能ライター)


 番組内容を説明しよう。「法律相談所」という設定の中で毎回漫才師が2組登場し、身近な法律相談を題材にした漫才をそれぞれ披露。その相談に対して、2人のタレントが独自の見解を述べ、最後に本職の弁護士が法律や過去の判例などに基づき、専門家の視点から回答をするというものだ。

 そんな人気番組に異様な光景が見られるようになったのは、この4月から。以下は、それを“目撃”した人のSNS上のコメントだ。

「久しぶりに『生活笑百科』見てるけど、南光師匠はなんでおるの? 仁鶴師匠のサポート?」
「久しぶりに、四角い仁鶴がまーるく収める番組を見てるんですけど、南光師匠が仁鶴師匠の介護モードになってて、高齢化社会感じてる」
「仁鶴師匠と南光さんのダブル司会になってて驚いた」
 
 笑福亭仁鶴(しょうふくてい・にかく)。キャリア50年以上、その巧みなトークで「落語家タレント」の先駆けといわれ、笑福亭鶴瓶や桂文枝(桂三枝)、明石家さんまなど後進が活躍するきっかけを作った、偉大なる先人だ。全盛期の1970年代にはレギュラー番組10本以上、「視聴率を5%上げる男」ともてはやされたという。
 
 今回、そんな同番組の「室長」である仁鶴の隣に、関西を中心に活躍している落語家・桂南光(かつら・なんこう)が「室長補佐」、つまりはサブ司会として座るようになったのだ。彼は以前、同番組のタレント相談員としても活躍していたが、15年ぶりの復帰を果たし、そして異例の「昇進」。番組進行の、ほぼ全てを担当するようになったのだ。
 
「今まで仁鶴がしていたタレント相談員とのやりとりも、南光が全て請け負い、仁鶴は『次いきまひょ』と一言発するだけ。ほかのセリフも、南光により多く割り当てられています。この番組は放送尺と同じ時間しか収録しない『完パケ』番組で、出演者はあらかじめ構成作家が書いた台本を暗唱するだけ。ほとんどアドリブがありません。それでも仁鶴は覚えたはずのセリフが出てこないのか、手元を見ることも多くなってきました」(前出ライター)

 去る3月、南光が室長補佐に就任する際に開かれた会見で、仁鶴は「南光の復帰で変わったことは?」と聞かれると、「一番違うのは……ヒマになったことですね」とコメント。さらには「一服させてもらえます」と自分の負担が減ることを喜んでいたという。だが、一時代を築き、同番組を30年にわたって担ってきた彼の本心は、いかばかりであろうか?

 そんな仁鶴師匠は、奇しくも『笑点』を先日勇退した桂歌丸と同じ79歳。完全に司会をバトンタッチする日も、そう遠い話ではないのかもしれない。だがもちろん、「四角い仁鶴がまーるく収めまっせ」という番組の決め台詞のように、交代するときも“まーるく”収めるであろうことは間違いない。
(後藤港)

最終更新:2016/07/11 14:14
『存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)』
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