【連載】永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報6

「マスゾエする」が流行語に? 舛添氏辞職の裏側と都知事選の候補評

2016/06/27 15:00
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Photo by shibainu from Flickr

 国会議員秘書歴20年の神澤志万と申します。セクハラ、パワハラ当たり前! 映画もテレビドラマもかなわないリアルな国会とその周辺について、現役議員秘書が暴露します。

■舛添氏辞職の裏側

 6月21日、ついに舛添東京都知事(当時)が辞職しました。あまりにも「セコい」政治資金の使い道に、小学生たちの間でもケチな人を「マスゾエ」と呼んだり、「セコイことをするな」を「マスゾエするな」なんて言ったりするのがはやっているようです。

 サラリーマンの間でも、「今日の(プライベートの)飲み代は、(領収書の宛名を空欄でもらって)マスゾエしちゃおうかな~」なんて冗談で言うそうです。ここまで人気が落ちるとは誰も想像できませんでしたね。

 とはいえ今回の「疑惑」が出てきた当初は、選挙で応援してきた手前もあって、自民党本部は舛添さんをかばうつもりで静観していました。時が過ぎれば、世間の関心も薄れて、疑惑をうやむやにできると考えていたんですね。

 そもそも都知事選挙には広報の費用などだいたい50億円くらいかかります。もちろん全部税金ですね。前知事の所業(政治資金のセコい私的使用)のために50億円をまた使うことになるのは、もったいないですよね。それに、7月には参院選が控えていて、政党はどこもタイヘンです。

 なので、党本部としては「ケシカランけど、辞任するほどじゃないってことでいいか」となっていたのです。もちろん、陰では「なぜ潔く謝罪できないのか! 違法でなくても、不適切なのは明らかだろ!」と自民党の皆さんも怒ってましたよ。

 やはり、会見で「第三者に精査させる」と繰り返しただけで、謝罪しなかったことから流れが変わったようです。都民だけでなく国民の怒りまで買ってしまい、自民党も参院選への影響を考えて、かばいきれなくなったんですね。優秀だったのに、なんでこんなふうになっちゃったんですかね。

■都知事選のゆくえ

 さて、次の都知事は誰になるのでしょうか。読者の皆さんは誰がいいと思いますか? このコラムを読んでいただいている頃には、候補者が固まっていると思います。ただし、舛添さんの行政手腕は評価されていたので、それ以上の能力の方はなかなかいないと思います。「舛添さんよりケチでない人」とか、「公私混同しない人」という観点で決まっちゃうんでしょうか。それもどうなんでしょう?

 結局、都知事選には出馬しないようですが、民進党代表代行の蓮舫さんの名前も候補として挙がっていましたよね。先日、神澤が通っているエステサロンのスタッフさんが「私、蓮舫さんが結構好きなんです。都知事になってくれたらうれしいな」と言っていてびっくりしました(笑)。永田町で評判が悪くても世間では人気の高い議員っているんだなぁと思いました。舛添さんも、そうでしたよね。

 神澤も、「女性都知事」の誕生は同じ女性として楽しみですが、蓮舫さんはどうなんでしょうかという感じ。政治は人気だけじゃダメなんです。蓮舫さんは事業仕分けで知名度を上げましたが、正直、実績は何もない感じ。官僚を怒鳴りつけている様子は、ただのヒステリーばばあでした。私たち秘書にも当り散らすので、「永田町からいなくなってくれるなら万歳」と言っている秘書仲間もいたくらいです。

 蓮舫さんは「自ら出馬を辞退」と報道されていますが、民進党が一丸となって自分を応援してくれそうにない、ということと、東京のトップとしての実力がないという自覚から、出馬に後ろ向きになったというのが実態のようです。超びびりで有名な蓮舫さんらしいです。

 だいたいどこにでも秘書を同行させるので、永田町では「芸能人か!」と呆れられています。まあキャンギャル出身ですから、そういう気分が抜けないのかもしれませんね。でも、秘書が同行すると交通費や宿泊費が単純に倍になりますから、予定の2倍の経費を請求された地方の事務局から苦情が来ることも多いです。連れて行くなら自腹でお願いしたいです。なので、もし都知事になっていたら、舛添さん以上に「視察費用」がかさんでしまったかもしれないですよ。

 あとは、「嵐」の櫻井翔くんのパパ(櫻井俊元総務事務次官)も話題に出ましたね。今のところは固辞されているようです。もちろん政官界とのつながりはあるでしょうが、今あえて火中の栗を拾いますかねえ。だって、総務省の事務方トップなんて、天下り先はいくらでもあるんですよ。テレビ東京の社長さんにもなれるそうです(笑)。都知事になれば、何をやっても批判されるのは明らかですから、そんなにカンタンには引き受けないんじゃないかなあと。

■まじめに仕事をしている政治家は、地味で知名度がない

 ほかにも名前が挙がってますが、秘書たちも候補者が誰になるのか興味津々で予想し合ってます。国会議員もそうですが、本当に能力があって、まじめに仕事をしている政治家は、地味で知名度がないのが実情です。元鳥取県知事の片山善博さんの出馬が決定したという情報がありますが、やっぱり外見は地味ですよね。

 なお、6月21日には、元総務大臣の鳩山邦夫さんがお亡くなりになりました。鳩山邦夫さんがかつて民主党にいたこと自体、忘れ去られていると思いますが、お兄さんの由紀夫さんとともに民主党を立ち上げています。その後にお兄さんと対立して離党されましたが、1999年の東京都知事選挙に民主党推薦で出馬されていたんですよ。

 鳩山家といえば政治家一族で超セレブ。お祖父さんと由紀夫さんが内閣総理大臣経験者、お母さんはブリヂストン創業者の長女ですね。鳩山さん支援の依頼のために、党内の議員秘書団が協力団体を回る時には、秘書一人ひとりにハイヤーが手配されたという仰天エピソードがあります。費用は、もちろん鳩山さん持ちです。庶民派の民主党秘書にとっては、地下鉄を乗り継いで目的地へ行くのは当たり前で、鳩山財閥の資金力に舌を巻いたらしいです。

 鳩山さんは、その他にもたくさんのセレブなエピソードをお持ちでしたので、それはまた今度。ちなみに、なぜかお兄さんの由紀夫さんにはあまりセレブなエピソードはありません(笑)。

 実は、鳩山邦夫さんは、亡くなられる直前は激やせして髪も薄くなって、とても老けた印象だったので、秘書の間でも心配の声が上がっていたんですよ。ご冥福をお祈りいたします。

最終更新:2016/07/22 21:04
一番じゃなきゃダメですか?
参院選は7月10日、都知事選は7月31日
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