第58回全国矯正展レポート

西内まりや、MAXら芸能人が受刑者を支援 再犯を防ぐために必要なこととは?

2016/06/11 15:00
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左からMAXのLINA、MINA、石田純一、西内まりや、NANA、ペペの2人、杉良太郎、桂才賀

 報道でよく目にする「懲役」とは、犯罪者を単に刑務所に入れるだけでなく、「所定の作業」を行わせる刑罰であるのは意外に知られていないかも? 実は、この「所定の作業」、施設内での炊事や洗濯、清掃(なんと自分たちでやっていることに驚く)、高齢の収容者の介護からモノづくりまで多岐にわたっているのだ。

 このモノづくりのレベルの高さと、お手頃な販売価格には定評があるというので、全国65の刑務所・12の少年院で作られた約2,700点が販売されている国内最大規模の「全国刑務所作業製品展示即売会(第58回全国矯正展)」(6月3〜4日、東京・科学技術館)に行ってみた。

■販売員は現職の「ムショ職員」

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函館少年刑務所の「マル獄」ブランド商品

 科学技術館内の展示場で、北海道・東北、関東甲信越などエリアごとに分けられた施設のブースに立つのは、現役の刑務所職員だ。「今年の新製品です」「こちらも使ってみてください」とプロの販売員のような応対に、客も足を止めて見入る。

 約5万1,000人の懲役受刑者が作る刑務作業品は、重厚なタンスからハローキティなどのキャラクターグッズまで多種多様で、見ていて飽きない。例年の人気商品は、横浜刑務所で作られている石けんや乾麺、函館少年刑務所の「マル獄」ブランドのバッグなどだが、佐賀県内の女子刑務所・麓(ふもと)刑務所のミニソーイングセットなど、実用的かつ乙女心にぐっとくるキュートな商品もある。

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カラフルでヒョウ柄もあるハローキティのだるま
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手織物で飾られたソーイングセット

 さらに、今年は熊本刑務所が震災の被災者を施設に受け入れたと話題になったこともあり、熊本刑務所の収容者が作った「くまモン」の貯金箱「くまモンだるま」は即時完売となった。

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「くまモンだるま」は即売り切れ(手前はくまモンのメモ帳)

「やはりキャラクター商品は売れますね。黒羽刑務所(栃木)のハローキティダルマや、高知県のゆるキャラ『カツオ人間』が高知刑務所の刑務官に扮したデザインの便箋も話題です。変わったところでは仏壇(大阪刑務所)や御神輿(富山刑務所)、墓石(高松刑務所)なんかもありますね。それに、おいしいものもたくさんありますよ。網走刑務所で育てた牛は肉質がよいと評判で、府中刑務所(東京)のコッペパンは毎回行列ができます。刑務所の食事を再現した『プリズン弁当』も数量限定で販売していますので、ぜひお試しください。栄養バランスも、きちんと計算されています」(売り場の職員)

 また、時間があれば「ヘタな占いよりも当たる」と評判の「性格検査体験コーナー」もオススメだ。収容者の性格や犯罪傾向を把握するために実際に施設で使われており、60項目の質問に答えることで「性格」が診断される。「あなたはカッとなりやすい性格では?」「朗らかさがない」など余計なお世話的な結果に苦笑するのも楽しい。

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