六反りょう『亭主元気でマゾがいい!』イベントレポート

「未体験の立場をイメージする」元女王様マンガ家が語る、夫婦円満に生かせる“SMの関係性”

2016/05/08 17:00
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トークショー後には、緊縛ワークショップも。赤い縄で縛られた女子たちが集団で並ぶというホットな風景
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ワークショップで習った「菱形縛り」を自宅のテディベアでおさらい。縛ってる最中にもベアたちにムラムラと愛情が……! これ、生身の人にやったらとんでもなく胸打ち震えそうです。和久井に縛られたい方募集!

■性癖をさらけ合える夫婦のあり方

 イベント終了後、六反先生に、「SMの要素を用いて、夫婦関係を円満に保つ秘訣」を詳しく聞きました。「道具を購入することは難しい」という人も多いかと思いますが、六反先生いわく「よく私がSM初心者の女王様に言うのが、『SMは道具を使わなくてもできる』ということです。人間関係を強化するためにSMという上下関係を使うんです。奴隷と女王様というロールプレイングなので、基本は道具はいりません」とのこと。

 では実際に、SMを夫婦生活に応用するにはどうしたらいいかという点には、「通常、自分や相手を奥様、主婦、夫という実際の役割を当てはめて結婚生活を営むと思います。それを一度壊して、『僕の女王様』『私の奴隷』だと思いこんで会話してみるんです。そういうSMプレイをすることで、今まで自分が体験したことのない立場をイメージすることができます。力のないか弱い状態を男性が体験して、女性に全てを投げ出してみる。一方で女性も、全力で男性を受け止めてみる。それって結構愛が試されるし、楽しいんですよ。それは確かに円満の秘訣かもしれないですね」。

 よく結婚した女性が「△△さんの奥さん」「××ちゃんのお母さん」という肩書きでしか呼ばれなくなり、不満を感じるというのはよく聞く話。主婦に限らず、「××さんの妹ちゃん」「△△の営業さん」など、私たちは肩書きで呼ばれることが多く、そうやっているうちに、自分の“立場”でしかものを見られなくなってしまうこともあります。しかしSMというプレイを用いることで、新しい視点を持つことができるようになるのかもしれません。

 また、女王様とM男は、自分の“性癖”をさらけ出して信頼し合っている間柄ともいえます。六反先生が、夫婦間で普段人に見せない部分を見せ合うという、究極の関係性を築けていることに、羨ましさを感じている読者も多いはずです。

「『結婚は生活だから、性癖とか持ち込まない』という意見も聞くんですが、結婚への夢が1つ消えますよね。私はそういうのは耐えられないから無理。相手に自分をさらけ出せないと、外に興味が行っちゃう気がします。SMは、『相手が自分をさらけ出してくれるから、自分もさらけ出すことができる』という関係なんです」

 これも、夫婦やカップルにとっての理想のカタチの1つではないでしょうか。マンネリ化してしまったカップルや、パートナーの気遣いのなさに悩む方は、一度SMプレイをしてみてはいかがでしょうか。なにかのブレイクスルーになるかもしれません。

和久井香菜子(わくい・かなこ)
少女漫画マイスター、文筆家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。

最終更新:2016/05/08 17:00
『亭主元気でマゾがいい!(1)(モーニング KC)』
「亭主元気でマゾがいい!」って大声で言いたくなるタイトル!
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