『熟年売春ーアラフォー女子の貧困の現実』中村淳彦×『風俗嬢という生き方』中塩智恵子対談

最低賃金が1,300円になれば風俗嬢は激減する 風俗から見る女性の貧困と格差問題

■介護職や保育士の女性が風俗に流れている

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中村淳彦氏

中村 女性たちの多くは、ぜいたくをしたいわけじゃなくて、生活のためにカラダを売る仕事を選んでいます。中塩さんの本には、介護の仕事をして、さらにステップアップするために資格の勉強をしたいがため、風俗の仕事を始めた50代女性が登場しますよね。

中塩 介護職は先々までのシフトが見えないから、好きな時間に働ける風俗は都合がいいそうです。自由出勤制度に惹かれる女性は多いと思います。

中村 介護職は低賃金、ブラック労働で、本当にどうしようもない。本音をいえば、みんなすぐに辞めちゃったほうがいい。そんな仕事なのに「介護の仕事をがんばりたいから、風俗やります」って、頭が悪いというか……。昔から、壊れている職種の女性が風俗に流れる傾向があって、いま多いのは介護職や保育士。2000年代であればそれは美容師、アパレルスタッフ、看護師でした。いまは介護と保育にいる女性が、その仕事だけでは食っていけない、生活できないので風俗を掛け持ちしたり、本業を見切って風俗嬢になっています。

中塩 仕事の内容に対して、所得が低い職業ですね。そして、国はその人たちに対して賃金を上げる気がない。

中村 だから生活のためにダブルワークするしかなくなるんだけど、そもそも肉体的にもハードな仕事だから、長時間労働はいつまでも続かない。結果、より単価が高くて、稼げるほうに流れます。介護業界は、介護と介護のダブルワークが多いんですよ。昼間は正規職員として施設や訪問介護で働いて、稼ぎが少ないから週に3日ほど夜勤をやって月収を7~8万円ほど上げてやっと生活できる、みたいな。そんな働き方をしても、希望が見えない。

 対して風俗には、“出会い”という希望がある。金持ちの男が客としてくるから。彼氏とか愛人みたいになったら、再分配が受けられるでしょう。愛人業で優雅に暮らしている風俗嬢は、たくさんいる。

中塩 格安ソープランドすらクビになりかかっているけど、いつも愛人を切らさないので生きていけている40代の風俗嬢を知っています。

■「普通の女性」が風俗で働かないと生きていけないのは異常

中村 高級店になるほど客の質や収入も高くなるから、そこで何かしらの縁があるかもしれないよね。僕も10年ほど前までは、できれば風俗の仕事は辞めたほうがいいと思っていて、「将来、苦労するよ」「結婚できなくなるよ」と風俗嬢によく言っていました。でも、いまは考えがガラリと変わりましたよ。いま貧乏で稼げるスペックがある女性は、どんどんやったほうがいい。非正規雇用の置かれた状況は改善されないし、社会保障は削られる一方でしょう。国が自己責任というメッセージを明確に出しているんだから、生きるためには売れるものを売るしかない。

中塩 同感です。声を大にして勧めるわけではないですが、追い込まれている人にとって選択肢のひとつであることは確かです。ひと昔前と比べると、風俗という業界やそこで働く人に対して社会が格段に寛容になっていますし、やってみてダメだったら辞めればいいという考え方もある。でも、たいていの人は思っているよりすぐに慣れます。慣れてしまえば、風俗もひとつの職業として受け止められるようになる女性が多いですね。

中村 介護や保育に限った話ではなく、「いまやっている非正規の仕事と風俗、どちらが長くできますか?」と聞かれたら、どっちもどっちでしょう。となると、収入の上限がなく、時間の自由が利き、もしかしたらいい縁もあるかもしれない風俗に魅力を感じる人は、今後も間違いなく増えます。

風俗嬢という生き方 (知恵の森文庫)
女子大生や主婦も風俗で働く時代

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