[ジャニーズツッコミ道場]

<あの日以前/以後>になった『SMAP×SMAP』、通常放送でもやっぱり安心できない

2016/02/29 16:30
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本当の関係性なんて当人たちにしかわからないもの……

 もう、あの頃と同じ顔では笑えない。そんな、ちょいスウィーツぽいことも言いたくなってしまう。SMAPは、完全に<あの日以前/以後>になってしまった。

 木村拓哉以外の4人のメンバーと担当マネジャーによる独立騒動が世間を激震させたのが、1月13日。5日後の18日には、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)生放送で謝罪するという異例の事態を迎え、表面上はとりあえず落着。SMAPメンバーがそれぞれ出演する番組やCMも、「今まで通りですよ」ということになった。

 しかし、である。いくら「安心してください」といわれても、それを全て受け入れて見ることは、もうできなくなっている。たぶん、「穿いてない」んだと思う。何を穿いてないのかはわからないけれど。

 2月8日放送の『スマスマ』。「シャフルBISTRO」のコーナーで、オーナー役となった木村が、ゲスト役の稲垣吾郎に質問したり、ときにいじったりするが、それよりもその時のメンバーの表情の方が気になってしまう。「中居、笑ってない」とか。そういう先入観で見てしまうせいかもしれないが、そう見えてしまう。彼らの名曲「青いイナズマ」でいうと、<疑い始めればキリがない 抜けないトゲだね>な感じである。

この日の歌のコーナーは、騒動後に収録された新企画「スマラブ」。サザンの名曲「涙のキッス」をメンバーが歌ったが、これがまた、5人バラバラの方向を向いているという異様な光景。死んだ顔の中居正広、背中を向け熱唱する木村、うつむいてギターを弾く草なぎ剛。なんだこれ。いたたまれなくなる。解散が決まってから収録された、ビートルズの「レット・イット・ビー」の映像に漂う、虚無感のようなものに通ずるなにかを感じてしまった。

 翌週の15日放送。「BISTRO」ゲストは、日本出身力士として10年ぶりに優勝を飾った琴奨菊関夫妻がゲスト。とてもめでたく、素敵なゲストである。でもやっぱり、肝心の琴奨菊関の話よりも、SMAPそれぞれのちょっとした表情、仕草、立ち位置の微妙な距離、「目を合わせないな」とか「目が笑ってないな」とか「ハイタッチしなかった」とか、いちいち気になる。<君の態度が変わったと>という感じで見てしまう。

 何事もなかったようにすることの悲しさとつらさ。そしてそれを見る、視聴者側の気持ち。『ナカイの窓』(日本テレビ系)や『「ぷっ」すま』、『SmaSTATION』(ともにテレビ朝日系)など、メンバー個人の番組を見る分には今までのように見ることができるが、SMAP5人が揃う番組は、やっぱりキツい。番組内容じゃないところの方が圧倒的に気になる。

 事情や状況が全然違うとは思うが、「田口くん、まだいたの?」みたいにいじられる、KAT‐TUNの番組の方が、よっぽど気楽にその状況に向き合える。ほかにも、<収録は○日です>とか、ベッキー出演回を放送した『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のように、しばらくの間はテロップを出してくれる方が、「ああ、騒動からこれくらいの頃か」と安心できる気がする。

 さらに翌週の22日の『スマスマ』。<20年周年を前に とある事情で放送できなかった映像を全部見せちゃいますスペシャル!!>と銘打っての、未公開分を放送するという内容だった。「とある事情で」って、ワザとなのだろうか。もちろん、こちらが考えすぎかもしれない。メンバーの空気感についても、前からこんなもんだったかもしれないが、気になってしまうことは確かだ。見なければいい話というものでもないし。さて、どうしよう。

 たぶん、『スマスマ』は3月いっぱいまでこんな感じで、新しく収録した分に総集編や未公開映像を交えながら放送するんだと思う。改変期の4月からいろいろリニューアルされそうだが、その頃にはこちらの『スマスマ』との向き合い方も変わっていて、番組内容そのもので、ちゃんと笑えるようになっているといいな、と期待しつつ、とりあえず毎週見る。がんばりましょう。
(太田サトル)

最終更新:2016/02/29 16:30

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『青いイナズマ』
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