角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第106回

保育園・ベビーシッター派遣業で直面する、「男性保育士・シッター」問題

2016/02/20 17:00

 そして、「森のナーサリー」と取り引きしていただける一流ホテルも決まり(契約前なので今は書けません)、これからほかのホテルも開拓する予定です。ホテルのベビーシッター需要は2つあり、1つは宿泊客と、もう1つは婚礼だそうです。婚礼は3時間くらいホテルのベビールームで預かるのですが、だいたいこれは取引業者がすでに決まっていることが多く、新規参入は宿泊客狙いなのです。なので、TOEIC950点の日本の大学院に通っている中国人女子(インターナショナルの幼稚園で働いた経験あり)を採用したり、いろいろ策略中。

■娘の誕生日に、つらい過去を思い出す

 忙しい中、娘が8歳の誕生日を迎えました。いつもと同じようなお祝いだったのですが、おばあちゃん(私の母)が娘に宛てた手紙に号泣しました。大きな字で4枚にわたって書かれた手紙の中には、「生きていると、良いことも、そうでないことも、これからたくさんやってくるとおもいますが、●ちゃんの心も体も強いので、どんなことがあっても、のりこえて行くとしんじていますよ 神様がついています!」とありました。この一文を見て、私が娘の年齢の時、同じことを言ってくれたらなと思いました。

 娘と同じ頃、公立小なのに親の趣味でほかのお友達と違う服装(「ギンザのサヱグサ」の服など)を着ていたことなどから、上履きを隠されたり、ノートに「かどかわうんこ」と書かれたりして、毎日が本当につらかった……。3年生の一時期不登校になったのですが、「現状を変えるには中学受験に合格して、このメンバーのいない中学へ行くしかない!」と一念発起し、4年からは内申書対策のために、毎日泣きながら学校へ行き、幸せな時間はラジオを聞いている時だけという小学校時代を送りました。

 いじめで自殺する子どもが問題になっていますが、私にとっては他人事ではなかったですね。学校近くのマンションを見ながら、一番上から飛び降りたら死ぬかな? と変なことばかり考えていました。あの時、母親や祖母が娘に渡した手紙のようなことを言ってくれれば、私はもっと踏ん張れたし、いじめは永遠に続かないと考えられたような気がします。

 我が子が毎日楽しいと言ってくれているので、いま私は本当に幸せです。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では8歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2016/02/22 00:10
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