【連載】夫の不倫相手を訴えた! 実録「慰謝料請求裁判」体験記4

夫の不倫相手と三者面談 30代後半の愛人が放った驚きの言葉

2016/02/11 15:00

 というのも、女友人のひとりに、慰謝料請求裁判の経験者がいるのですが、その友人に電話をして「夫とその愛人に会う心構え」を尋ねたところ、「あいつら、『もう、二度と会いません』なんて約束しても絶対に嘘つくから気を付けて。なんだかんだと女から連絡を取ってきて、ほだされて絶対に会うから。本当に本当に絶対会うから!」とアドバイスを受けて、念のために誓約書を用意することにしました。もっとも、夫いわく、20回以上も別れ話をしていて、本当に別れたくて困っていた、ということなので、今日、きちんと別れることができれば、また隠れてこっそりと会い始めることはないと思っていましたが……。

■「なんで別れないといけないんですか」

 その日の夜。この2つを鞄に忍ばせた状態で、約束の喫茶店の近くで待機しました。約束の時間から、5分もたたないうちに、先に店に入っていた夫から「来た」と連絡が。吐きそうなほど緊張しながら店に向かい、中へと踏み込みました。

 「なんで、こんな目に遭わないといけないんだろう……」と理不尽な怒りと、できれば避けて通りたい気持ちを振り切り、気力を絞って2人のいるテーブルまで歩いていって座ると、「ユウタさんから聞きました。うちの夫とお付き合いをされているそうですね」と、できるだけ冷静を装って尋ねました。さなえはわたしの登場に顔をこわばらせながらも「はい……付き合ってます」と小さな声で言いました。

「お付き合いされてるってことは、肉体関係もあるんですよね」
「はい。そりゃ、付き合ってるんで」
「ユウタさんが結婚してることは知ってますよね。でも付き合ってるんですか?」
「はい、彼女です」
「既婚者と肉体関係を持つと、不法行為になるってごぞんじですか」
「そういうことはあんまり……考えたことないんで」
「ごぞんじなかったとしても、不法行為なんです。なので、今日限り、別れていただけますか」
「……嫌です。なんで別れないといけないんですか。わたしはユウタさんの彼女なのに、なんで別れないといけないんですか」
「えっ……だって、わたしとユウタさんは結婚してるんで。わたし、この人の妻なんですよ」
「でも、わたしは彼女なんで」

 いくら話してもこの調子で、さなえは「自分が彼女で、ずっと一緒にいると約束したから絶対に別れない」と繰り返すばかり。だめだ、話にならない。20歳そこそこの娘ならともかく、この方、わたしと同じ30代後半の立派な大人の女性です。この調子ではらちが明かない……。
(まほ)

最終更新:2019/05/17 20:06
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念のために
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