「スナックガイド」宇野倫史氏インタビュー

今スナックの人気が急上昇! 初めての女性でも楽しめる極意をプロに聞いてみた

2015/11/14 16:00

――なぜ小瓶はダメなんですか?

宇野 そういう店は、“色恋営業”といいまして、店の女の子がおねだりドリンクするんですよ。要は、スナックのキャバクラ版です。もしそういう店に入ってしまったら女性は邪険に扱われ、嫌な思いをすると思います。

――じゃあ、女性がいないマスターの店のほうが無難ですかね?

宇野 うーん、マスターの店もいいですが、まずは同性のママの店が無難です。女性ならではの共通の話題があって会話しやすいでしょうし、酒癖の悪い男がいたら絶妙な采配で遠くの安全な場所に座らせてくれるし、客も男性が多いでしょうから、女性が来店したらご馳走してくれる可能性も高い。お客には独身男性も多いのでいい出会いがあるかもしれませんし!

――上手な奢られテクなんかもあるんでしょうか!?

宇野 いやいや、最初から見返りを求めて行っちゃダメですよ。スナックマナーには、“自分は新人で、先にいる常連は先輩”という不文律があります。愛想よく素直に話を聞いて、カラオケを歌い始めたら合いの手を入れて、歌い終わったら褒めて。それだけで相手は十分うれしいんですから。気持よくさせてから、「飲め飲め」と言われたときに初めて、「え、いいんですかぁ?」と。

――いろいろと気を使わなきゃいけないんですか、なかなか大変ですね……。

宇野 簡単なことですよ! 最初が肝心なだけ。慣れれば自然に振舞えるようになります。自分を強調せず、まわりに少し気を使って、場の空気を読み、人間関係をよく観察する。すると、「この人と仲良くなった方が楽しいかな」「この人はクセがあるから距離を置こう」などがわかります。

 そういう下地を作ったり、観察をきちんとしていれば、動きやすいんですよ。たとえば自分の隣にクセのある人が座ったとしますよね。その隣に優しい人がいて、その先は空いている、と。そういうときはわざとトイレに立ち、戻るときに優しい人の隣に座り、「さっき話聞いてましたけど~」と、ごく自然に席を移動することができるんです。

――なるほど! 満席で、どうしてもクセのある人から逃れられないときはどうすれば?

宇野 基本酔っ払いだから、くどくどしゃべりたくなるんですよね。そういうときは話を変えちゃいましょう。「あ、いつも鏡月飲んでるんですか?」「時計いいのつけてますね!」「このウイスキー初めて見ました!」とか。まあでも、いい常連さんと仲良くなっておけば、「この新人はあの御大と仲がいいから」と絡んでこなかったり、そもそもママがうまいこと采配してくれますから心配しなくても大丈夫です。

――ぜひママと仲良くなりたいです!

宇野 礼儀正しければそれだけでOKですよ。挨拶は元気よく、何事にも必ずお礼を。ほかには、ママを褒めるよりチーママやスタッフなどの一生懸命働いている子を褒めると、自分の子どもが褒められるように喜びます。地元から離れて頑張ってる女の子が「○○の母」とママを慕い、ママも「私の娘」と可愛がる微笑ましいケースをよく目にしますし。

――ほかにも、価格体系がわかりにくかったり、カラオケの歌い方だったり、スナック独特のルールがありますよね。

宇野 料金は、最初に聞かないとトラブルの原因になるので、扉を開けた段階で聞きましょう。そして交渉は、店内ではなく店外ですること。常連は定価で飲んでいるけど、初めての客はリピーターにしたいからと安くしてくれることもありますから。

 カラオケは、まず空気を読むこと。常連たちが歌い終えたらやっと自分の番です。それまでも、拍手や合いの手はかかさずに。曲も流れを読み、懐メロなどが無難。そして一曲でもいいから、年配受けする曲を覚えておきましょう。テレサ・テンや松田聖子などがオススメです。

――ボトルを入れる正しいタイミングはありますか?

宇野 初めて行ってその店が気に入れば、帰り際に「ママ、あたしこの店気に入ったから、ボトル入れます」と言えば、ママは大喜び。次回行って入れるよりうれしいはずです。価格も自分のお小遣いでムリのない範囲の銘柄でOK! 高いボトルを入れるよりも、その分通う回数を1回でも増やして顔を出した方がママも喜びますよ。

――やっぱりルールが多くて気軽に行けない雰囲気がありますが、それこそ“大人の遊び”の醍醐味なんでしょうか。

宇野 そうですね。大人の世界ですから、それはルールがあってしかりです。でも難しいルールではなく「親しき仲にも礼儀あり」という人として基本的なことなんですよ。郷に入って郷に従えば、あとは楽。スナックはゆる~い空間ですから。性別や年代を越えた飲み友達ができると本当に楽しいですよ! いいママの店は客もいい人ばかりです。とにかく扉を開けて、ママの笑顔が気に入れば、そこを安住の地にしてみてはいかがでしょう。
(羽屋川ふみ)

最終更新:2015/12/03 21:46
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