【最終兵器EXOは東方神起を超えるのか?】第1回

東方神起の活動休止と交差する、EXO「日本デビュー」のタイミングが意味すること

2015/10/12 16:00

◎東方神起ファンの“トンロス”を狙う

 ところで、最近、トンロスという言葉を聞くようになった。東方神起(トンバンシンギ)のユンホの入隊により、喪失(ロス)感を覚え、生き甲斐をなくしてしまった……そうした感情がトンロスと呼ばれる。NHKドラマ『あまちゃん』が終了した際にも「あまロス」な人々が大量発生し、それ以前にも韓流ドラマは多くの廃人を生み出していた。ドラマにハマりすぎて、現実世界に戻ってこられず、抜け殻のようになってしまう――韓流ドラマは多少強引でも、グイグイ引き込む魅力があった。

 わたしは拙著『それでも東方神起は揺るがない』(サイゾー)で、病んでいく韓流女性の姿を描写したが、病むというのはドラマなり俳優なりアイドルなり、ハマる対象があってのこと。対象を失った韓流女性は廃人と化し、ユンホの入隊後、トンロス症候群が蔓延した。

 ただ彼らは約2年後には戻ってくるし、軍隊で活躍する姿を時折目にすることもできる。戻ってくるという希望があるからこそ、トンロスはもやもやとし、踏ん切りをつけられないままになる。

 が、所属事務所やレコード会社からすれば、ファンにトンロスなんて言葉で悦に入り、喪失感に浸っていてもらっては困る。「私の心の隙間は東方神起しか埋められない」というファンもいるだろう。でも、送り手は東方神起のファンに「次はEXOですよ」と甘く囁き、そのお膳立ても整えた。

 チャンミンの入隊時、トンロスはEXOフィーバーにかき消されることになる。次回、EXOはなぜ継承権を持つのか、についてさらに迫る。
(小野登志郎)

最終更新:2016/02/23 15:28
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トンペンのみなさん、財布のヒモはしっかり!
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