『なんかおもしろいマンガ』あります ~女子マンガ月報~【9月】

東村アキコ『ヒモザイル』が炎上! 主婦&バリキャリ女子を攻撃する“勝者”目線の偏り

2:専業主夫/主婦に対する職業蔑視
 「ヒモザイル」は本作において以下のように定義づけられています。「働く女性を支えるために精神面・肉体面・家事育児 すべてをサポートする代わりに日々の生活費をすべて女性に出してもらう」。その横には洗濯物を干すさわやかなメガネ男子の絵。これは「ヒモ」ではなくてずばり「専業主夫」です。

 「紐」を辞書で引きますと「女を働かせ金品を貢がせている情夫を俗にいう語」(三省堂「大辞林」)とあります。多分に侮蔑的なニュアンスのある言葉として世間一般には認識されていることでしょう。一方、「専業主夫」は家事労働を主な仕事とする男性を指します(そういえば女性マンガ家さんの夫にも、専業主夫として働いていらっしゃる方が何人かいらっしゃいますよね)。それを「ヒモ」呼ばわりすることは、どう足掻いても正当化できません。このタイトルを事前告知で初めて目にしたときは「おもしろいタイトルだなあ」と素直に感心したものですが、この文脈ではいただけません。

 そしてこれはまた専業主夫のみならず、専業主婦に対する侮辱でもあります。ここでコケにされているのは、「専業主夫」であると同時に「家事労働」であるからです。先ほどの説明文の「女」を「男」に置き換えれば、それはそのまま専業主婦の説明となることでしょう。家事労働に価値などなく、自らお金を稼ぐことのない専業主婦は「毎月しっかりお給料を稼ぐ」男の「情婦」であると、遠回しに言っているようにも読めてしまいます。

 ここで恐ろしい事態に思い当たります。冒頭に登場した“セレブ”ママ友は、平日(作中に出てくる『ミヤネ屋』から、平日だと判断しました。わずかながら祝日の可能性もありますが)に子連れでやって来た描写などから、総合的に判断して、かなりの確率で専業主婦であると予想されます。一度は「母親代表」のようにして“セレブ”ママ友を持ち上げた東村先生ですが、専業主夫をヒモ呼ばわりすることによって、結果的にこの“セレブ”ママ友のことも貶めているのです。前述の“セレブ”ママ友の言動といい、この人たちは本当に「友達」なのでしょうか……?

『月刊モーニング・ツー 2015年10月号 [2015年8月発売] [雑誌]』
そもそも結婚を指標とする世界観におなかいっぱいだわ~

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