"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第282回】

天海祐希×真田広之、写真ナシ&目撃談ナシの“熱愛”記事のとても不思議な点

2015/09/08 21:00
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「女性セブン」9月17日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 注目された自民党総裁選だが、野田聖子前総務会長が推薦人を確保できず、結局は安倍首相の無投票再任が決まった。総裁任期は3年後の2018年9月まで。言葉もないとはこういうことだ。安保法制、憲法改正、戦争への分岐点。そんな歴史的3年間にならなきゃいいけど。それにしても、はぁ〜(溜息)。

第282回(9/3~8発売号より)
1位「天海祐希 真田広之 絡み合う時を越えて恋が動き出した!」(「女性セブン」9月17日号)
2位「相次ぐトラブルに3人が“内情”告発―― 東京五輪“迷走”の戦犯!」(「女性自身」9月22日号)
3位「米倉涼子“離婚相談”相手は『姉御』竹内まりや!」(「女性自身」9月22日号)

最近の「セブン」はなんだかこの手の記事が目立つ。それが“芸能ネタ”ならぬ“芸能物語”だ。

 今回の主人公は天海祐希と真田広之という大人のカップル。2人はまだ天海が宝塚にいた1990年に出会い、真田が手塚理美と離婚する直前にも密会が報じられた。だがそれ以降、2人の交際についての情報はなく、それぞれ別の恋人のうわさが立つほどだった。しかし「セブン」によると、2人は今年に入って何度もデートをしているらしい。天海がロスに行ったときは、ロス在住の真田がアテンドし、真田が東京に来ると天海と日本食を堪能する――。

 しかし、それだけだ。2人の具体的目撃談もなければ、写真もない。あるのは、2人の知人や映画関係者なる匿名の“推測コメント”だ。

「それまでは妹のような存在だったようですが、ひとりの女性としてとても魅力的に映ったんじゃないでしょうか」
「日本とロスの距離なんかふたりにはまるで関係ないようですね」

 もうちょっと、具体的にやろうよ。「かつてうわさのあった天海と真田が最近になって急接近しているらしい」なんていうおおざっぱな情報を得ての記事なのか、はたまた「セブン」お得意の“妙なウラ”のある記事なのか。

 ともあれ、これはディテールのまったくない芸能“創作物語”だ。いや、それでもいい。ほかの週刊誌や女性誌にもこの手の怪しい記事は氾濫しているから。でもトップ特集でこれはないだろう。トップならせめて張り込みをして写真を押さえるか、無理でもせめて具体的な目撃情報が欲しい。最近の「セブン」は、今回のように“創作物語”として芸能マスコミから「なかったこと」「ガセ」扱いされる記事が妙に多いのだから。

『ストーリーメーカー 創作のための物語論 (星海社新書)』
お題「天海と真田で恋仲エピをつづってください」
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