白湯がいいの? 水がいいの?

「白湯でも水でも同じ」便秘の名医が明かす、白湯ブームの意外すぎる真実とは?

2015/06/21 21:00
matumotoakikosan.jpg
小林弘幸氏が監修を務める『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!』(アスコム)

――白湯にはデトックス効果もあり、毒素が溜まっていると白湯が苦く、毒素が排出されると甘くなるという話もあるのですが、そんなことはあり得るのですか?

小林 毒素というのは、主に腸内の悪玉菌が発生させる硫化水素やアンモニアで、腸から吸収されると血流を悪化させます。さらに血液に乗って全身をめぐるので、疲労感や肌荒れなどのトラブルも引き起こします。

 白湯でも水でも、朝一に飲んで腸を圧して、その後も適量を摂取して脱水を防ぐことができれば腸内環境が整うので、毒素を排出する効果につながりますね。それによって血液の流れが変わり、味覚を感じる舌など末端の血流もよくなるため、食事もおいしく感じるようになります。白湯の味が変わるのも、そのためでしょう。

――ダイエット効果はどうでしょうか? 白湯を飲むだけで驚くほど痩せるといわれているのですが、水でも同じでしょうか?

小林 効果はあります。なぜなら、白湯でも水でも、摂取することで腸が動いて腸内環境が整うから。腸内環境と自律神経の一番の敵は脱水。朝一から水分を摂って、その後もこまめに飲んでいれば脱水の心配はありませんよね。脱水状態は、体内の浸透圧の機能をも狂わせて水分を溜め込んでしまうので、むくみも引き起こします。顔や手がむくんでいたら、腸だってむくんでいるということ。だから、水分をしっかり摂って脱水にならないように気をつければ、むくみが引いて見た目もすっきりするでしょう。でも、水分だけでは痩せません。水分、発酵食品、食物繊維をバランスよく摂取して、腸内環境を整えれば確実に痩せます。

――では、「再沸騰させてはいけない」とか、「ミネラルウオーターがいい」とか、白湯づくりにあたっての言説も関係ないということですか?

小林 関係ありません。気にしすぎると余計に腸が動かなくなってしまうので、ストレスを感じずに摂取することが一番です。あとは「これを飲めば効く」という信じる心が、効果につながっていることもありますよ。
――白湯でも水でも効果は変わらないと。便秘解消にもダイエットにも、大切なのは腸内環境ということですか?

小林 その通り。腸内環境は血液や血流にも関係するので、コンディションに大きく影響します。そのため、まずは腸内環境を整えなければ、どんなに高価な基礎化粧品やサプリを用いたって吸収されないため、改善は見込めません。白湯か水かは問題ではなく、一日1~1.5リットルほどの水分を摂取して脱水を防ぐことが大切。ダイエットには、水分のほかにバランスの取れた食物繊維もね。特に夏場は気温が高くて代謝がよくなるから、ダイエット効果を得やすい季節です。冷房によるむくみで痩せそびれている人が多いけれど、腸内環境が整えば簡単に痩せられます。腸内環境が整うとセロトニンが分泌されて、性格も明るくなりますよ。

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部附属順天堂医院教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、数多くのトップアスリートや芸能人のパフォーマンス指導も行っている。便秘改善のスペシャリストとしても知られ、順天堂大学医学部附属順天堂医院にて、大学病院としては日本で初となる便秘外来を開設。

最終更新:2015/06/21 21:00
『腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!』
二日酔いの朝以外にも「寝起きに水一気飲み」を習慣づけたい!
アクセスランキング