婦人科医・松村圭子先生にインタビュー

ナプキン、タンポンに次ぐ第三の生理用品「月経カップ」、そのメリットとデメリットとは?

――使用者からは「月経カップは子宮内膜症の予防になる」という声が出ていますが、本当ですか?

松村 それは逆でしょう。そもそも子宮内膜症の発症原因にはさまざまな仮説があり、そのうちの1つに経血の逆流説があります。月経カップのように膣内に経血を溜めることは、逆流する可能性を高めると見るのが一般的です。もちろん、生理中にナプキンをしていても、例えば横になることで経血が逆流することはあるのですが。仮説の1つである逆流の可能性を高めるのに、なぜ「予防になる」と言えるのか疑問ですね。

――ほかにも、「ナプキンやタンポンは、石油系の化学物質でできているため、体に悪影響がでる」と考える使用者もいるようです。

松村 それをいったら、洗剤や柔軟剤、洋服はどうなるのでしょう。なぜデリケートゾーンだけ、「肌が接した物質が悪影響を及ぼす」という考えになるのだろうと思ってしまいますが、“女性の象徴”だけに、そういう発想になってしまうのかもしれないですね。

――月経カップ=健康とは一概に言えそうにないですね。

松村 自分の経血の様子がよくわかるので、健康管理になるという人もいるようですが、自分の血が、異常か正常かがちゃんとわからなければ意味がありませんよね。自分の“ふつう”が、健康上の“ふつう”であるかどうかを理解できていない状態で、経血の様子をじっくり見ても意味はありません。もちろん目で確認できて、いつもの状態と違う、などある程度の目安にはなるかと思いますが、メリットとして挙げられるほどでもないのかなと思います。

――そもそも膣にカップを入れるのが痛そうという問題点も……。

松村 性行為をしたことがない人は、処女膜によってカップが入りづらかったり、痛みが出る場合もあるでしょうが、タンポンと同じで、慣れれば痛くはないと思いますよ。また膣は基本的に閉じていて伸縮自在ですので、膣に入れれば、カップが落ちてくることもないし、そのせいで膣が緩くなったりといったことはないと思います。座り仕事、立ち仕事など、日常生活の体勢にも関係なく使用できるでしょう。

――ただ、今までのお話を総括すると、月経カップはオススメしないということでしょうか?

松村 そうですね。とにかく手操作による衛生面、そしてカップを清潔に保つための手間を考えると、やはり個人的にはオススメできないですし、日本でも普及しないのではないかと思います。日本で生理用品として認可されていないものを使用するということは、何かあったとき「自己責任」とみなされてしまう。先ほども言ったとおり、日本のナプキンやタンポンは非常に性能がよく、また低用量ピルにより経血量を減らすこともできるので、総合的に考えて、「リスクを背負ってまで月経カップに手を出す必要性はないだろう」というのが私の意見です。
(取材・文=石狩ジュンコ)

松村圭子(まつむら・けいこ)
成城松村クリニック院長。広島大学医学部卒業。広島大学附属病院などの勤務を経て現職。若年層の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を心がけている。著書に『小麦オフな食べ方 やせてきれいになり性格までも美人になる』(マイナビ)、『10年後もきれいでいるための 美人ホルモン講座』(永岡書店)など。

最終更新:2015/10/01 16:21
『スク-ンカップ(月経カップ)エコパック 米国製 タンポンやナプキンに代わる生理用カップ メディテーション:サイズ1』
生理の煩わしさと女の戦いはまだ続きそう

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