イケメンドラマ特捜部【ジャニーズ&イケメン俳優】

嵐・相葉雅紀、『ようこそ、わが家へ』で引き立つ嗜虐心をくすぐる“弱々しい優しさ”

2015/05/10 16:00
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『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)公式サイトより

 嵐・相葉雅紀の月9初主演となった『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)が佳境に入ってきた。本作は、『半沢直樹』や『ルーズヴェルトゲーム』(ともにTBS系)の原作者として知られる池井戸潤の小説を映像化したサスペンスドラマだ。

 相葉が演じるのは本の装丁などを手掛けるデザイナーの倉田健太。ある日、健太は電車を待つ乗客の列へ割り込み、女性を突き飛ばしたニット帽&サングラスの男に、勇気を振り絞って注意する。男は反抗するが、同じ場に居合わせた雑誌記者の神取明日香(沢尻エリカ)に引き下がるように言われ、男はその場から去っていった。

 しかし、それ以降、倉田家は家の花壇を荒らされたり、ポストに傷ついた猫を入れられたり、車をパンクさせられたり、盗聴器を仕掛けられたりといった、陰湿な嫌がらせが繰り返されるようになっていく。健太は明日香の協力のもと、姿の見えない敵と戦うことになる。

 物語は健太と父・太一(寺尾聰)、大学生の妹・七菜(有村架純)、母親の珪子(南果歩)たち倉田家の人々と、次々と嫌がらせをする通称・名無しさんとの戦いを描いていく。その一方で、銀行員の太一が出向先の会社で起きた不正問題を通してベテラン営業部長の真瀬博樹(竹中直人)と対立したり、七菜が元カレに付きまとわれているといった、家族それぞれが抱える問題が描かれていく。

 こう書くと、ものすごく濃密で多様なドラマに聞こえるかもしれない。しかし、太一の会社内での喧々ごうごうに比べて、ほかの家族のエピソードはイマイチ薄い。第1話を見たときは、なんでこんなに物語の出来に落差があるのかと疑問だったが、原作小説を読むと、どうやら、本来は父親の太一が物語の中心だったらしく、駅で名無しさんと出会うのも健太ではなく父の太一だった。それを、相葉を中心とした家族の群像劇に書き換えたらしい。

 沢尻が演じる雑誌記者もオリジナルの登場人物で、原作小説を叩き台にした別のドラマといっていいくらい改変、加筆されている。しかし、一番面白いのが、原作に忠実な池井戸の得意とする会社内部でのゴタゴタ劇だというのは、なんとも複雑な気持ちにさせられる。

 もっとも、小説も会社のエピソードに比べると嫌がらせ犯との戦いのパートは出来が一段落ちるので、ドラマならではの終わらせ方ができれば、面白い作品になるのではないかと期待している。

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