【不定期連載】愛の博打デートスポット

鉄の処女、火あぶり、石抱――「拷問博物館」がカップルの距離を縮めるワケ

2014/12/10 19:00
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わあきれい! 罪状によって、色の違う縄で捕縛したのだとか。

 日本は緊縛の技術が非常に発達しているそうだ。以前、SMの女王様に聞いたところによると、犯人を捕縛したとき、暴れたり、簡単に抜けられないように縛らなければならないけれども、それで死なれたりしては困る。そのため体に大きな負担をかけずに、かつきっちりがっちり縛る技術が発達したのだとか。余談だけど、罪人の身分によって縛り方が違うのだそうだ。ってことは、縄の色と縛り方を見れば、この人がどんな位の人で、なんの罪を犯したのかがわかるってことなのね。スゲ〜。

 縄を見たらチャンスだ。「何色がいい?」から始まり、どこへ行っても徹底しておしゃれな村上春樹ばりに「君に心を縛られて、俺のハートはロック・オン」とかなんとか言ってみよう。なんとか縄と緊縛をネタに、お色気ムードに持って行くのだ。2人が結ばれるのは今夜だ!

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八百屋お七は、恋しい男に会うために放火をして、火あぶりになった。意外と拷問系には恋バナが多い。
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リアル磔刑写真も展示してある。死体がバッチリ写っててめっちゃ怖え!

 まあ、黙ってても、ここを出る頃にはすっかり震え上がって、「1人になりたくない」と思うだろう。自分がそうでしたよ、はい。

 そもそもこの「刑事部門」は、法学部主催のもので、人権について考えるための展示とのこと。罪を犯した人間にも人権はある(えん罪だって多いわけだし)。罪の有無にかかわらず、人としての尊厳は守られるべきなのである。心底「ホント守って人権! お願い!」という気持ちでいっぱいに。「君を襲う敵から俺が身を守ってやるよ」でもいいし、「周りの全てが敵になっても、私だけはあなたの味方」でもいいし、この恐ろしい展示を見て、2人の世界を盛り上げてみよう。

明治大学博物館
【博打デート度】★★★★★
【オススメのカップル】もうそろそろいいんじゃない? と思いながらもきっかけが作れないカップル

和久井香菜子(わくい・かなこ)
ライター・イラストレーター、少女漫画研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。街で見かけたおかしな英文から英語を学ぶ「Henglish」主宰。

最終更新:2014/12/10 19:00
『大奥11(ジェッツコミックス)』
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