【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

“初めての男”と同窓会で再会! 答え合わせのセックスに耽る母に、悲壮感が一切ないワケ

2014/07/05 19:00

 
 そんな彼と再会したのは、5年前の都内での同窓会。美佳子さんは結婚後、ご主人の仕事の都合で関東から関西に引っ越していたので、新幹線に乗って都内の会場へ向かったという。卒業してから連絡を取り合わなかったが、そこで彼がバツイチの独身であること、そして偶然にもお互い関西に移り住んでいることを知った。

「関西の同じ県、しかも同じ市内に住んでいたんです! びっくりしたのとうれしさで舞い上がっちゃって、翌週に地元で会う約束をしました。35歳になった彼はもちろん老けていましたけど、ご飯を食べる時の豪快な感じとか、頬杖をついて私の顔を覗き込む仕草とか、雰囲気は昔と全然変わらなくて……同窓会帰りの新幹線の中で、妙にうきうきしながら帰ったことを覚えています」

 当時の自分を思い出し、にこやかに語る美佳子さん。しかし彼女はもちろん、その頃には妻であり、母でもあったが、「忘れてましたね、完璧に。彼に会ったことですっかり女になっていました。ダメな母です」と振り返る。彼の写真を見せてもらったが、学生時代は剣道部に所属していたという彼は、しなやかな体躯に目尻の下がった優しそうな笑顔が印象的だ。

■恋心に再び火がついた、セックス中の言葉

2人の関係は、同窓会後に再会してからすぐに始まった。チェーン店の居酒屋で食事をして軽く飲んでから、カフェへ。お酒があまり強くない美加子さんへの配慮だったようだ。

「彼、『本当は酔わせてホテルへ連れ込むつもりだったんだけど』って、俯きながら呟いて……」

 その時の美佳子さんも、「実は、私もそのつもりでした」と言う。けれど彼は、決して美加子さんに酒を勧めて“その場限り”にしたいわけではなかった。その誠実さが、彼女の心を強く打った。

「だって私とセックスするなんて、彼にとっては何のメリットもないですよ。当時は35歳でしたから、頑張れば20代の女の子も捕まえられるし、結婚だってできるのに。なんで私なの? って思ってしまいました」

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