噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第217回】

辻仁成の浮気スクープを5年隠蔽、「女性セブン」が具象化した作家タブーと芸能圧力

2014/04/08 21:00

 先週に引き続き中山美穂、辻仁成の離婚騒動である。先週「自身」と「週女」は離婚理由について、辻のナルシストぶりや妻を束縛する様を描いていた。そして今週は発売後発の「セブン」だ。

 さすが後発、時間があっただけ「セブン」はより深くまで突っ込んだ。なんと辻の浮気の数々を過去に遡って暴いているのだ。それは今から5年前の2009年、「セブン」は中山夫妻の不仲をキャッチしたという。しかも原因は女性問題。「福岡の女性Aさん」なる女性の存在を知った「セブン」は同年8月に福岡で取材をして、ビジネスホテルに辻とAさんが滞在したことや、2人を目撃した一般客から聞き込みをして、取材メモに残していた。

 さらに同年10月。「セブン」は今度は青山で2人を目撃したという。場所は同じくビジネスホテル。周囲を警戒ながらチェックインしたAさん。そして時間差で変装した辻。辻は記者とすれ違うと、なぜか突然逃げ出すように走り去ったという。さらにその2年後にも「セブン」は辻を目撃。その際、同席していた女装家に「ばれたらヤバイ」などと浮気の相談をしていることも聞いたという。

 辻の浮気スクープ、しかも5年も前から「不仲」情報を入手していた――。すごい! いや全然すごくない。というか、ふざけるな、あり得ない。「セブン」は5年も前から中山夫妻の不仲を知り、辻を尾行するなどして女性関係を取材していた。かなり決定的なシーンを3度も目撃している。それを取材メモまで残している。しかも恐ろしいのは、これら情報をこれまで一切報じることなく、ひたすら隠していたということだ。

 ここまで熱心に取材をし、これほどの内容を把握したならば、普通はその時点で書く。だが「セブン」はそうはしなかった。そして5年後、中山が離婚を進めていることが明らかになってから、自慢そうに掲載する。理由は中山美穂のバックにいる芸能勢力と、そして辻自身が小学館で作品を出しているという作家タブーに他ならない。

 かつて「田中角栄の金脈問題」が明らかになった際、大手紙政治部記者たちが「そんなこと、俺たちはとっくに知っていた」と嘯いたことは有名だが、スケールはかなり小さいとはいえ、同様の構図である。知ってたら、書け! 「知る権利」はマスコミが読者に代わって情報を伝えるというジャーナリズムの基本だが、実際はそうではない。友好関係にある権力者にはこびへつらい、でも一旦お墨付きを得たら一斉にぶっ叩く。これは30年以上前と変わっていないマスコミの体質だ。それは政治だろうと芸能だろうと関係のない。「セブン」は図らずもこうしたタブーを自ら暴露し、体現した。掲載すべき情報をキャッチしても“配慮”という名の自粛で、事実を、記事を握り潰していた。辻のナルシストぶりより恐ろしい、「セブン」の情報隠蔽記事である。
 
 毎度お騒がせの藤田紀子が某バラエティ番組をドタキャンしたらしい。理由は藤田のだらしなさ、ではなくピース・綾部祐二の存在。熟女好きを公言し、藤田との熱愛までうわさされた綾部だが、このバラエティで藤田と一緒に出演予定だった。しかし綾部は喜ぶどころか、「紀子との関係をイジられるのが嫌」と藤田に直接電話をしてまで出演自粛を懇願したというのだ。

 藤田との関係は“ネタ”だというのは皆わかっているのに、なんとも小さい男。そんなことより、藤田紀子に関しどうしても気になることが。これまで幾度となく女性週刊誌などに取り上げられてきた藤田だが、なぜか「藤田紀子さん」と“さん”付けであることだ。週刊誌の多くは著名人や有名人のゴシップ記事を書く際には敬称はつけず、呼び捨てだ。当然今回の記事も綾部には“さん”は付けずに呼び捨て。しかし紀子に関しては“さん”がついている。今回が特別ではなくいつもだ。

 「紀子はタレント、有名人として認めてないぞ!」メディア側のそんなアピールなのか。一般人扱い? そもそも藤田紀子って何者? 元女優? 元相撲部屋おかみさん? 若貴の母? 相撲不祥事コメンテーター? タレント? いくつもの肩書きが思いつくが、うーーん?

最終更新:2014/04/30 15:03
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