【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

モラハラ夫からの逃走、不倫、再婚へ! 「VERY」妻が語る、セックスなしの修羅場愛

2014/04/20 17:00

「私の母は、33歳の時に、私と姉を引き取って離婚しました。おぼろげながらに母の心労は感じていました……ですから、慎重に結婚相手を選んだつもりだったんですが……」

 最初の半年間は順風満帆な新婚生活を送った。前夫の希望から専業主婦になり、由実さんは精一杯家事をこなした。しかししばらくすると、前夫の態度は少しずつ豹変してゆく。

 ある日前夫は、日付が変わる頃に帰宅し、冷めた夕食の前でうたた寝をしている由実さんの顔をあげさせ、その頬を軽く叩いたというのだ。

「『おまえの髪の毛が皿の中に入っていたから、これじゃ食えないだろ?』って、前夫は言ったんです」

 その日を境に、前夫の言葉の暴力はエスカレートしてゆく。風呂の湯加減、食事の味付け、由実さんの服装……まるで粗探しのように、由実さんの行動を監視し、ケチを付けては暴力へとつなげていく。

 世間的に言う「DV」というには足らない、跡に残る暴力もなければ傷も残らない、軽く頬を叩く程度の行為。けれど髪の毛1本落ちていることすら神経を傾けないといけないほど、由実さんの生活は前夫に支配されていた。ある時は「カーテンの隙間が数センチ空いていることにすら、気を遣わなければならない」ほどだったそうだ。

 由実さんはそのうち、夫の逆鱗に触れないよう、日々をこなすことだけに背一杯となった。外出を許された数時間に顔を合わせる母親や姉からは、口々に心配され、身長165センチの長身にもかかわらず、一時期体重は30キロ台に突入した。耐えに耐えた末、「これは、普通じゃない」と気付いたのが、最初の結婚記念日を少し過ぎた頃だった。

■離婚前にしたのは「キスだけ」

 そんな折、とあるDV被害者支援サイトを覗いた時、自分と同じ境遇の人物と出会った。由実さんの婚外恋愛相手でもあり、現在の由実さんの夫でもある人物の書き込みだ。年齢は、由実さんよりも4歳年上。経営コンサルタントを営んでいた。

「当時の彼はフリーランスで、前妻はパート勤務だったそうです。フリーの彼が全ての家事を担っていたそうで、前妻がパートから帰って、玄関の鍵を開ける音を聞くことが恐怖だったとか」

『「モラル・ハラスメント」のすべて 夫の支配から逃れるための実践ガイド(こころライブラリー)』
逃走劇が2人の愛を深めたのね~
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