[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

女44歳、生理がこない……絶不調の気分で進む、いざ更年期の旅路へ

2014/03/02 21:00

 とはいえこの、「色気」ってやつは、人によってさまざまな解釈をされるもんである。イイ感じに捉えれば「深み……」とか。でも、ともすりゃ「臭み……」など。深みになるか臭みになるかは、本人が決めることではなく、他人様が決める事である。どんな生き様をやらかしてきたかによって、深いか臭いか。それは、Aさんには深く感じられるかもしれないが、Bさんには臭いと思われるかもしれない、そんな曖昧なものである、色気とは。

 更年期に片足突っ込む年齢になって、なんだか先の見えない、目的もよくわからない旅に出てしまった、みたいな、そんな気持ちになっている。こんな旅、正直、全然楽しくない。気分はなんだか最悪の絶不調だし。でも、「更年期番長」として名高い伊藤比呂美さんが以前、「更年期になったら楽になるから」と、言っていた……楽になる???

 更年期ってなんかよくわかんないけど、「苦しい」もんなんじゃないんすか!!??

 と、私は思うわけなのだが、でも「楽になる」って……ああ、なんか憑き物が落ちるみたいな、要するにそういう事なのかしら?と、中年1年生の私は仏頂面で考えてみる。「更年期になると楽になるから」というその、どうにも腑に落ちない言葉は、まるで、宝探しの謎の指令のようである。この道を東へ100歩行ったら右に曲がってそこの穴を掘れ、そしてその穴をくぐり抜ければ、更年期は楽になる……みたいな、なんだかそんな謎の指令。

 まぁ、番長がそう言うんならそれはホントの事なんだろう。だからソレを信じて、その謎の指令の書かれた紙を握りしめて、私はこれからも旅を続けようと思うのだった。
(もう、後には戻れないしね)

最終更新:2019/05/21 16:23
『閉経記』
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