[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

女44歳、生理がこない……絶不調の気分で進む、いざ更年期の旅路へ

2014/03/02 21:00
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(C)安彦麻理絵

 絶不調である。いきなりブチかますのもなんだが、ぜっっっっっっふちょう。どうしたものかと日々、頭を抱えて悶絶……してるうちに、日が暮れて。保育園から子どもらが3人、道中、だんじり祭りのような騒ぎで帰ってくるわけである。そして、嵐のような、暴力的なまでのすさまじい「子どものエネルギー」に、きりもみ状態で振り回されて1日が終わってしまう……、本当に、あっという間に。

 仕事のペースが、ガタ落ちである。今までは「2日あればできた」ものが、今は「2週間たってもできない」といったあんばい。例えは汚いが、まるで「肛門からカスみたいな便を、無理矢理指でほじくり出してる」みたいな、そんな仕事の仕方である。そんなふうだから、今年に入って1月。しょっぱなっから、原稿を落とした(締め切りに間に合わなかった、という意味です)。当然、自己嫌悪と罪悪感で悶え苦しんだ。そしてその後、しばらくの間、なんていうか「……アハハ…アハハ……」と、笑いながら蝶を追いかける気がふれた人、みたいになっていた。

 こんな状態の時は、当然なのだが「顔の具合」も、最悪である。まるで三日三晩、海を放浪していた「溺死体」のように、顔がムクんでいる。「いやいや、そこまでそんなじゃないでしょ」と、周りの人には言われるかもだが、しかし、自称・絶不調の女には、己の顔が、そんなふうにしか見えないのである。いくら顔のツボなんぞグリグリやっても、それこそ指がメリ込みそうなくらいにやっても、さっぱり効き目が感じられない。そうなるともう、どんどん自虐的になっていき、「これ、酒飲んで泣きはらしたりすると、ますますすごい顔になるんだよな……」などと、よせばいいのに怖いもの見たさで「飲んで泣く」という事をやらかすわけである。

 そして翌日、鏡を見て己のあまりのブスっぷりに唖然。まるで、ヒアルロン酸の注射を打ち過ぎて、風船おばさんのようになった顔に呆然。仰天しすぎて『新婚さんいらっしゃい!』(ABC朝日放送)の桂三枝のように、豪快に椅子から転げ落ちる……そんな日々を送っている。

 今さらながら思うのだが、どうも私は冬になると、とにかくダメになるらしい。先日、近所をトボトボ歩いてる時に、ふと気が付いた。

「……そういえば私、去年の今頃もこんなだったな」

 考えてみれば、昔、離婚したのも確か2月頃だった。曇天のようにドヨンとしながらも、地吹雪のように荒れ狂い、頑固な豪雪のごとく仏頂面で過ごしてしまう、冬の私。でも、今年の冬は、いつにも増して、脳みそが凍てついている。

 そういえばここ最近、「生理」がきていないのである。公の場でこんな事、声を大にして言うのもなんだが、でも、あえて言ってしまおう、あああ、私、ここ最近、4カ月以上、せいりがきてないいいい!!! ……もしかしたら、そのせいで、女のホルモンがらみが原因で、ここ最近の私はこんなにも「絶不調」なんだろうかと勘ぐっている。ああ、「犯人はお前だ!!何もかもお見通しだ!!」と、仲間由紀恵のようにズバ~ンと指差しで言ってやりたい。私の不調・イコール・ホルモンの不調。

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