[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

四十女の“愛されキャラ”小細工の破壊力に考える、四十女の正しい靴選び

2014/02/02 21:00

 ルミ子のように、ヒールを履いて激しくセクシーなダンスもしない私がなぜ「外反母趾」に!? と、最初は事態を受け入れられなかった。が、しかし。ネットで調べてみたら、今時の女の3人に1人は外反母趾傾向にあるらしい。普段スニーカーばかり履いてる私の足でも外反母趾。右足親指下部分内側が少し出っ張り気味なのである。外反母趾は放っとくと、腰痛肩こりなど万病の元になるそうで、足がかなりフリークスな状態になったら、ルミ子のように手術である。「これ以上、外反母趾を悪化させず、歩く姿勢を矯正してくれるような、そんな都合のいい靴を買わなくちゃ!!!」……というわけで。私が色々悶々と逡巡しながら行き着いた先は、あの「MBT」であった。

 MBTとは「マサイベアフットテクノロジー」の略だそうで、真剣にこの靴を履きこなしたら、どうやらあの「マサイ族」のような、美しい姿勢やボディラインを手に入れる事ができる……ようなのである。

 そんなわけで、思い立ったが吉日。善は急げ。マサイ族めざして私は、池袋東武スポーツ用品売り場にすっ飛んだ。(この靴はMBT専門店もしくはデパートのスポーツ用品売り場で購入可)お目当ての、革のストラップシューズタイプのものを見つけたので、さっそく試着。MBTの靴は、靴底部分が湾曲しているため、足元が前後にユラユラする。要するに不安定なのである。だからちゃんとした姿勢で立たなければならず、そのため、普段使わない足腰の筋肉が強化されるらしい。「バランスボールに姿勢よく座ってる」感じに近いかもしれない。ネットでは「腰痛が軽減!!」「おなかポッコリが改善された!!」「体重が減った!!」などと、女44歳の購買意欲をかき立てるような評判が後を絶たず、頭の中はマサイ族のようになった自分で一杯になり、ついに私は決めてしまった。

「MBTの靴を買わなくちゃ!!」

 ……1足3万円という高額にもかかわらず、ああ……やっちまった感を強く噛み締めたわけだが、まあしかし。外反母趾をこれ以上悪化させないためにも、後悔はしていない。

 さて、これを履いて3日くらいたつが、確かに下半身に、くる。慣れるまで1カ月くらいかかるらしいのだが、下半身のだるさはそれだけ筋肉に効いてる証拠である。しかしながらこのMBT、デザインが、はっきり言って、まったくセクシーじゃない。それが困った所である。それで「買ったはいいがダサくて結局履かずじまい」という輩も多数いるらしい。本来ならば、マノロやルブタンあたりのセクシーなハイヒールを履きたいところだが(……実はものすごく履いてみたい)、とりあえずはMBTで足腰鍛えてからでも遅くはあるまい……ああ、早くマサイ族にならなくちゃ!!

 ところで。私の中で「ハイヒール」と言えば「喜多嶋舞」である。舞の独身時代・六本木豪遊伝説。男たちをはべらせ、自分が履いてきたハイヒールに酒を注いで、それを回し飲みさせていたという武勇伝。この芸能ニュースを小耳に挟んだ時、私の中での舞の株が急上昇した。

「喜多嶋舞のハイヒールの使い方は、ある意味正しい」

 この時のハイヒールがマノロやルブタンだったら、さらに申し分ないのだが。喜多嶋舞、ハイヒール使いの達人である。しかし、その後さらに小耳に挟んだ「舞・ハイヒール」情報。喜多嶋舞、あの話題の息子が小学校3年の時、ハイヒールで殴り飛ばして流血させたとの事である……ああ。こんな使い方じゃ、ハイヒールも泣く。「ハイヒール殴り飛ばし」、息子じゃなくて大沢樹生だったらよかったのに……あの、眼光鋭い樹生の顔には、ハイヒールと流血がよく似合うはず。「ハイヒール冥利につきる顔」と思うのは私だけだろうか?

最終更新:2019/05/21 16:24
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