噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第207回】

素人より西川史子、デヴィ夫人のターゲット変更に見た、“上流階級”の喧嘩作法

2014/01/28 21:00

 次はデヴィ夫人の暴力事件。TBS『奥様はモンスター2』の番組収録中に一般人女性を3発平手打ちし、女性が被害届けを出したことで騒動が広まった。だが事態は急転する。デヴィ夫人はさすがに「やばい」と思ったのか被害女性に歩み寄る姿勢を見せ、その後女性は被害届けを取り下げたと、デヴィ夫人自らが語っている(一部報道はそれを否定)。

 しかし今回の騒動で、表面化したのはデヴィ夫人のあざとさ、巧妙さだったのではないか。警察沙汰になりそうになると、一転収拾に動くのは当然としても、返す刀でターゲットを全然違う方向に持っていってしまったからだ。なぜか、突如として西川史子を標的に変えたのは周知の通りだが、しかも西川先生を攻撃する論拠も理解しがたいものだった。

 その論拠は、一般女性に対し「図に乗らせる雰囲気」を作ったのが西川先生ということなのだ。おいおい、である。そもそも番組は素人参加のバラエティだ。デヴィ夫人や西川先生は、彼女たちにご意見する役割。デヴィ夫人だって番組での役割をわかっていたはずだ。そして西川先生も。所詮はバラエティだから、素人相手に演出があることもバラエティの常連の2人が知らないはずはない。視聴者だって「演出」やら「やらせ」が存在することを知っている。

 西川先生がターゲットにされたのは別の理由だろう。騒動直後、西川先生は情報番組で収録の様子を語っている。「見てました。3回でしたね。その後の収録はお葬式みたいになりました」「番組側が操作(演出)したとかはないですね。本人(被害女性)が思ったから言ったんじゃないですか」と。これもまた理解し難い理由だが、騒動について西川先生が「話したこと」自体がデヴィ夫人の気に障ったのだろう。そして、自分の暴力沙汰から世間の目を別の方向に向けさせ、すり替える作戦に出たのだ。

 素人と喧嘩しても損するのは有名な自分である。しかし西川先生となら、別の方向に持っていける。テレビ局もその方が責任回避できるから、今後の関係も問題なし、と。案の定、マスコミはこちらに飛びついた。そっちの方が面白そうだったから。喧嘩の仕方や、メディアの特性をよーくご存知なのだ。きっとデヴィ夫人がいた社交界や上流階級の奥様方の喧嘩は、こんなものなのだろう。喧嘩する相手を値踏みし、力関係やヒエラルキー、話題性や自分がどう有利に運べるかなどを見極めて、喧嘩相手を選び「演出」するのだ。

 だが、やっかいなことに、デビゥ夫人はその戦略を冷静に遂行するタイプではない。感情的にことを進めるのだ。理不尽な怒りであっても、自分の中でそれはどんどんエスカレートする。思い込む。「今、敵は西川だ。許せない!」と。だから西川先生に対し、「亀女」「女らしさのひとかけらもない」「男にも女にも愛してもらえない」などと人格否定まで始めてしまう。本当に感情のコントロールができない人だと思う。

 デヴィ夫人と仲良しのカルーセル麻紀がナイスナコメントをしていた。「あの人はホントにまっすぐな人だけど、すぐ怒るの。パーティーなどでも、気付いたらシャンパンぶっかけてケンカしてるから。怒ったら、いつもはグーだから。それにあの人はすごい指輪してるから、グーで殴ったらとんでもないことになってたわよ」。西川先生のコメントよりよっぽど過激な内容だが、しかしデヴィ夫人はカルーセルとは喧嘩をしない。相手を選ぶ。

 一方の西川先生も同じ穴の狢である。西川先生は自分より弱い美奈子をいじめて、泣かせた。そのことを自慢そうに自分でバラした。不倫した矢口真里を強烈に批判した。弱いものいじめやヒエラルキーの見極めが、バラエティ界で生き残る秘訣かもしれない。こんなデヴィ夫人や西川だからこそ、バラエティ番組で重宝される。騒動は話題になる。特に女同士の喧嘩は面白い。でも、この話題で盛り上がっているのは実は女だけだったりする。男たち全然興味がないんだろうな、きっと。(ちなみに「週女」記事は、都知事選でデヴィ夫人が応援する田母神俊雄の選挙応援に行き、夫人からコメントはもらえなかったが、その際の写真を掲載していただけだった)

 坂口憲二が飲食店経営の女性とデキ婚することが報じられた。ところが、お相手の女性には“意外”な過去を「自身」が報じている。先ごろ逝去したやしきたかじんと13年ほど前に付き合っていたというのだ。

 芸能人と結婚するような人は、そもそも何らかの形で芸能界とつながりがあった人なんだろうから、そんな過去があっても不思議ではない。しかし、坂口とやしきたかじんという取り合わせの意外性が気になってしまった。というのも、昨年夏に再婚した三谷幸喜の妻は、辻仁成の元カノの可能性が高い、お気に入り女優だったことを思い出したからだ。

 三谷と辻――。ちょっと変わった取り合わせだ。だがそこから派生する相関図はさらに面白い。三谷の前妻は小林聡美。辻仁成の現妻は中山美穂、前妻は南果歩、南の現夫は渡辺謙。渡辺の娘は杏。杏の現彼は東出昌大で、前彼は小澤征悦、小澤の現カノは滝川クリステル、ちょっと戻って中山美穂の元彼は田原俊彦!! なんだか、錚々たる芸能界の相関図ができる。坂口とやしきはほとんど関係なかったけど(笑)。

最終更新:2014/01/28 21:00
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