[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」9月5日号

“妻だけED”は女の不倫を正当化するツール! 「婦人公論」に見る夫婦の深淵

2013/08/30 19:00
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「婦人公論」(中央公論新社)2013年9月5日号

 “自宅連れ込み不倫騒動”により元モーニング娘。の矢口真理がワイプ界から姿を消して、はや3カ月。元夫の中村昌也が自虐ネタでバラエティに登場するなど、矢口としてはますます出にくい状況になりつつあります。そんな中、日本一女の婚外恋愛におおらかな女性誌「婦人公論」(中央公論新社)が満を持して立ち上がりました。今号の特集は「妻の浮気、夫の浮気、どう違うのか」。矢口にぜひとも差し入れたい一冊です。作家の白石一文氏と村山由佳氏の対談「物語を生きる女と、嘘の日記を書く男」では、婚姻とセックスがいかに結びつかないかが熱く語られていますし、イケメンアートディレクターと再婚しただいたひかるは「夫婦がダメになる理由はフィフティフィフティ」と誌面から矢口にエールを送っています。さあ準備は整いました。あとは「婦人公論」という広い懐に身を任せ、ここでうっとりと涙ながらに語るだけ! 矢口の独占告白を期待しつつ、まずは今号のラインナップから。

<トピックス>
◎白石一文×村山由佳 物語を生きる女と、嘘の日記を書く男
◎読者アンケート 家庭は“巣”。蜜は外で味わいたい
◎ルポ・細心の注意も水の泡 “決定的証拠”をつかまれた!

■女だって「お父さん」とはセックスできません

 「婦人公論」に言わせれば、「浮気が『男の甲斐性』などと言われてひさしいですが、いまや女性の婚外恋愛が当たり前の世の中」(特集リードより)。世間のモラルはどうであれ、「婦人公論」においては「結婚した女は浮気に走る生き物」なのです。だからこそ、婚姻という「法」で縛ろうとするのだそう。その現象を熱く語り合っているのが「白石一文×村山由佳 物語を生きる女と、嘘の日記を書く男」。白石氏といえば以前同誌の不妊特集で「男にとって結婚とは『セックスのできる若いお母さん』を手に入れること」「子どもは夫婦関係を妨げるものだと思っています」など自由奔放すぎる発言を放ったことも記憶に新しいところ。今回はさらにテーマが「だから夫婦は分かり合えない」ですから、どんな斬新な夫婦論、セックス論が語られるのかと思いきや……。

 結局行き着くところは、「結婚して奥さんが子どもを産み育児に専念すると、ずっとおあずけ状態が続いて、マスターベーションするか、外で何とかするしかなくなる。それに加えて、結婚生活の中で奥さんにごはんを作ってもらい、掃除洗濯してもらっていると……」(白石)、「妻がお母さんになっちゃうんでしょう」(村山)、「そうなんです。母親と同じことをしてもらううちに、だんだん性の対象として妻を見ることができなくなってくる」(白石)という“妻だけED”なんですよねぇ。まぁそうなんでしょうが、浮気する理由が「妻がお母さんに見えちゃう」とは、“お前のかあちゃんでべそ”級のステレオタイプ。ひねりもなにもあったもんじゃない。

 それに対して村山氏は「女性は達していようがいなかろうが、相手が女としての尊厳を認めてきちんと扱ってくれた、可愛がってくれたという手ざわりのようなものが残らないと、ただノルマの消費のようなセックスは虚しいだけ。『だったらないほうがまし』と」と冷静かつ辛辣にコメントしていました。

「婦人公論」
「女の浮気」特集にマリーナが表紙なのが味わい深いよね
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